• 短編集から一編。グレッグ・イーガン『ふたりの距離』(『ひとりっ子』収録作品)グレッグイーガンには一部の短編作品に世界観を共有した作品群がある。これはその中の『宝石』と呼ばれるガジェットが出てくるシリーズの一つ。ある恋人二人がお互いをもっとよく知るために、文字通りに一つになろうとする試みを描く。イーガン作品群の面白いところは、この一見ロマンチックなことをどこまでも突き放しているが、作者本人は意外とロマンチストそうなところ(ときめき回路ないとロマンチックを毀損できない)ドライで冷え切っているが、読み終わるとその洞察力に痺れてしまう。
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