• 私の悪癖。
    何もしていないのに、自分ならどう罪を逃れるかを考えてしまう。例えば近所の軒先に乱雑に置きっぱなしにされた園芸用品。あれを盗んで犯行に使い、洗ってから元に戻しておけば気づかれないのでは?

    変装する方法。
    顔面を覆うようなパーティー用のマスクをしてマスクをつけ、カツラをかぶって帽子をかぶる。目はコンタクトをする。靴は自分とは違うサイズの靴を雑多な古着屋などで購入しておく。服は他人の家から盗んだものを着る。

    気に入らない人間を消す方法は、世に溢れているサスペンスや推理漫画を掛け合わせたらとんでもない方法が思いつきそうだ。できればマイナーなものの方がいい。

    そんな馬鹿げた妄想をしながら、届いた手紙の封を切ろうとハサミを探すが見当たらない。きょろきょろと探すと、なぜか開け放したままの窓辺に置かれていた。私は首を傾げながらハサミを使って封筒を開ける。

    ピンポーン

    なんの警戒心もなくモニターを見る。
    画面の向こうには、警官が立っていた。
返信の受付は終了いたしました。