• ry77hw5月28日
    西暦2011年。比類なき外宇宙からの攻撃により、人類は死滅した。
    いや、正確に言えば、死滅したかに見えた、というべきであろう。
    過 去に日本と呼ばれた国家の領土のなかで、
    最南端に位置する孤島の沖 合いに構築された地下シェルターのなかに、
    人類はその比類なき系譜 を辛うじてつなぎとめていたのである。

    このシェルターには、かつて比類なきバッタ屋として名をはせたひとりの老人と、
    3人の若い男、ふたりの若い女性、そして猫が623匹に 犬が117匹、
    みみずが1000匹、羊が65535匹いた。
    この村社会の長ともいうべき老人は、もはや命の育むにふさわしくなくなった
    地球から脱出すべく、比類なき宇宙戦艦の建造に精を出していた。
    もちろん、 人間5人と動物67275匹らも老人の元で
    第2の地球を探す旅に出るべく、 懸命に働いていた。
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  • スレ主(ry77hw)5月28日
    数年後、かれらの比類なき努力により待望の比類なき宇宙戦艦は完成した。
    老人はその黒光りするボディを眺め、目に涙を浮かべ、
    ジュンとしながらこうつぶやいた。「この船をヤマ卜(ぼく)と名付ける」。
    およそ70年前、このシェルターの近くで轟沈した、
    かの巨大戦艦にあやかっての命名ではあったが、
    もはや老人の脳は溶ろけつつあり、
    なにやら比類なく間違ったネーミングがなされたのであった。

    かくして、比類なき宇宙戦艦の、あてどもない旅が始まる。
    号砲一 発轟かせ、いまヤマ卜が立つ!!