• ISAYK37月27日
    たったひとつの冴えたやり方/J・ティプトリー・Jr
    書司の異星人がかつて栄えた人類のエピソードを古文書から紐解く導入部から始まる。
    もしコーティーが「冴えたやり方」を実行しなかったら人類とその近くに住んでた異星人たちは早々に絶滅していただろうけれど、既に両方が滅んだ世界線で過去の話として語られているのが妙に安心した。個人の英雄的行為が人類全体に影響を及ぼす話に食傷気味だったから。
    同著者の「肉」という短編も読んだ。紙の上では映える理想と経済が手を組んで現実の地獄を加速させた話。困窮極まる若い母親が神ではなく神の母に祈りを捧げるくだりが印象深かった。