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小説書いったー1000
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2022年11月3日
魔法使いはお腹が空いた。
山にある果物や動物だけでは賄えない空腹を、森に迷い込んだ子供で満たそうとした。
ヘンゼルとグレーテルに焼き殺された、あの魔女ほど愚かではない。
捕まえた子供にバレないよう、食事を振る舞い、食うのを確かに眺めていた。
「ああ坊や、可愛い子。
もっともっとたくさんお食べ。
大きくなっても変わらずに、私の傍にいればいい。
私が愛してあげようね。」
子供が逃げようなどと考えないように、魔法使いはいつもそう子供に語りかけた。
子供は大きくなった。
けれど、食べる量の割に、なぜだかあまり肉は付かなかった。
魔法使いは坊やから少年に変わった子供の傍にいた。
「ああ坊や、可愛い子。
もっともっとたくさんお食べ。
大きくなっても変わらずに、私の傍にいればいい。
私が愛してあげるから。」
子供は病に罹り、口減らしに捨てられた。
食べても食べても力がつかず、力仕事にさえ使えない。
親は彼に呆れ果て、魔女を殺すグレーテルさえ与えないまま、夜の森の餌にした。
魔法使いは怒り狂った。
「話が違う、この嘘つき。
お前は骨と皮ばかり。
食べても美味しくないんじゃないか。」
だったら家事くらいしてごらん。
寝転がってこの役立たず。
さっさと口を開けたらどうだい、我儘言わないで食うんだよ。
毎日毎日言ったろう。
逃げずに私の傍にいろ。
私から逃げてどこに行く。
病の治療法など知らない魔法使いは、もう口さえ開けぬ少年の口に、ただただスプーンを押し付けるばかりだった。
返信の受付は終了いたしました。
山にある果物や動物だけでは賄えない空腹を、森に迷い込んだ子供で満たそうとした。
ヘンゼルとグレーテルに焼き殺された、あの魔女ほど愚かではない。
捕まえた子供にバレないよう、食事を振る舞い、食うのを確かに眺めていた。
「ああ坊や、可愛い子。
もっともっとたくさんお食べ。
大きくなっても変わらずに、私の傍にいればいい。
私が愛してあげようね。」
子供が逃げようなどと考えないように、魔法使いはいつもそう子供に語りかけた。
子供は大きくなった。
けれど、食べる量の割に、なぜだかあまり肉は付かなかった。
魔法使いは坊やから少年に変わった子供の傍にいた。
「ああ坊や、可愛い子。
もっともっとたくさんお食べ。
大きくなっても変わらずに、私の傍にいればいい。
私が愛してあげるから。」
子供は病に罹り、口減らしに捨てられた。
食べても食べても力がつかず、力仕事にさえ使えない。
親は彼に呆れ果て、魔女を殺すグレーテルさえ与えないまま、夜の森の餌にした。
魔法使いは怒り狂った。
「話が違う、この嘘つき。
お前は骨と皮ばかり。
食べても美味しくないんじゃないか。」
だったら家事くらいしてごらん。
寝転がってこの役立たず。
さっさと口を開けたらどうだい、我儘言わないで食うんだよ。
毎日毎日言ったろう。
逃げずに私の傍にいろ。
私から逃げてどこに行く。
病の治療法など知らない魔法使いは、もう口さえ開けぬ少年の口に、ただただスプーンを押し付けるばかりだった。