• サブリーダーはリーダーの座を狙っていた。リーダーはかっこいいが、サブリーダーはかっこよくない。サブというところから、三郎みたいな感じもして、あまりよくない。下っ端感がぬぐえない。
    そういうわけで、サブリーダーはリーダー殺しをくわだてた。計画は万全だった。あとはサブリーダーはリーダーの胸にナイフを突き立てるだけだった。
    しかし、サブはそれができなかった。自分がいかにサブか、リーダーでないのか悟った。そうして、ナイフを震えた手で持ったまま数十分。リーダーは目を閉じたまま言った。「朝食はなにか?」
    サブは涙を流しながらその場を去った。ナイフ一本残して、その場から逃げ去った。