OK
  • 手元の紙に、真っ赤なペンで書かれた数字を見て絶望した。
    明日は試験なのに、こんな点数で合格できるわけがない。
    外からは雨が地面を打つ音が聞こえてきて、まるで明日の自分を憂いているような気さえしてきた。
    「俺の代わりに空が泣いてる」
    机に突っ伏しながらそういった俺に、友人はひとつため息をついた。
    コツ、コツと爪先で机を、いや、見えないがおそらく点数をつつきながら、呆れたように言った。
    「学のないやつはこれだから困る」
    一応頑張っているっていうのに、あんまりな言い草だ。
    ムッとして顔を上げた先、友人は窓を指さしていた。
    「雨音は集中力を上げてくれる。
    君を応援するために、空は天気まで変えたらしい」

    脳内エアフレンドの声掛けでテンションを上げた俺は、再び解答用紙に向き合った。
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