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社員の方を呼んだ。
「こちらの方が特殊詐欺に遭われた可能性が高いです。通報しなければならないので、先にあがってもいいですか」
「まあ!申し訳ないわぁ」
わざとらしくて鼻につく。思い切り嫌そうな顔をしてやってから、「警察署行きますよ」と促した。
そうして署に連行され、ご婦人と私の的を得ない説明を聞き入れてくれた警察官たちにより、ご婦人の自宅周辺のパトロールを強化すると取り付けてもらった。
数日が経ったある日、勤務先へ向かおうとするとご婦人の家周辺に男たちが屯していた。手にはバールのようなものもある。私は思わず声をかけていた。
男たちは通報したご婦人に腹を立て、制裁を加えようとしていることがわかった。私の口から出たのは、「通報したのは私だ、そもそも詐欺ろうとしたお前らが悪いやろ」で、丁度乗っていたチャリで捕まったら即終了(人生が)の鬼ごっこが開始された。「誰か警察呼んで!!」と叫びながら逃げてるとこで目が覚めた。 -
レジにぼーっと突っ立ってると、常連のちょっとボケてるご婦人が来た。この人の対応面倒なんよな~と思いながら商品をレジに通してお会計に進む。そこそこの金額だった。
「あら、お金がないわ」
なんてこった、とうとうここまで進んでしまったか。溜め息をばれぬようこっそり吐いてから伝える。
「ならお金下ろすないししてきてください」
「それがね、そのお金も振り込んだの」
「……どこに?」
「ええと、電話で教えてもらったとこなのだけど」
それ詐欺やんけ。今度は隠さず溜め息を吐き出した。
「お客様、お言葉ですがそれ詐欺の可能性が高いです。すぐ交番や警察にいってください。こちらの商品はお預かりしておきますので、早めに通報しましょ」
「でもわたし、通報の仕方がわからないの。ああどうしましょ、どうしましょ」
この人はこうやって、「誰か」が助けるのを待つのが趣味らしい。舌打ちできたら楽なのになと思いながら、