OK
  • 9g4yYc4月12日
    技術の授業、初めての電気工作。
    クラス最速でタッチセンサーライトを組み上げたのを覚えてる。
    幼少期はマクロス見て戦闘機かっこいーってドキドキした。
    宇宙に憧れた。いつか、この目で地球を見てみたいって願ってた。
    てんとう虫が花の茎を登っていくのを眺めてた。花弁の先から飛び立つまで。
    でも、そういうものに夢中になるのは許されなかった。
    許さなかった、母が。
    「なんでそんなもの好きなの?」「男の子じゃあるまいし」
    じゃあ、何を好きになればいいの? 何を欲しがればいいの?
    どうして笑うの。どうして不機嫌になるの。どうして。

    欲しいもの。やりたいこと。わからないまま大人になった。
    大人になってから、少しずつ手探りで穴を埋めている。長い時間をかけて。
    どうしても埋められない場所がある。時折見つめて、途方に暮れる。
    夢中になりたかった。夢見て生きていたかった。
    きっと、それが一番欲しかったもの。