• どこかで除夜の鐘が鳴り響き、はたまたどこかでは世の中の流れによって鐘の音もなく、年を新しく迎えた時、年明けを一緒に待っていたはずの人はとうに眠ってしまっていた。それがつまらなく、元凶である炬燵の天板の上で蜜柑を重ねて雪だるまを作る。

    新年を迎えたというのにまたクリスマスに戻ったかもう来年……いや、今年のクリスマスまで時間が飛んでしまった

    眠気から妙に浅くなった笑いの沸点に体を揺らせば、重ねた蜜柑は眠っているその人に向けて思いの外早く転がり落ちていく。大岩で天罰を与えるかのような落蜜柑を止める事もできず、今年の干支もとい神様は私でしたかと惚けながら謝罪も込めてつい手を合わせた。
    合掌――