• 30TuP77月4日
    ざわざわ─
    今日も病院は人だらけだ。
    待合室にベビーカーを押した母親が
    入ってくる。
    道を開ける人、舌打ちをするやつ、
    積極的に手を貸そうとする聖人、
    邪魔そうな顔して睨みつける野郎。
    何気なく見つめていた自分の待合番号が
    音とともに画面に表示される。
    椅子から立ち上がり、診察室に進む。
    ベビーカー置き場にベビーカーを置き、
    赤ん坊を大事に抱きかかえた母親は、
    自分が座っていた椅子に座れたようだ。
    少しホッとしながら診察室の扉をくぐった。