•  鼻の奥がツンと痛む。雪があっという間に降り積もった、色がないようなこの場所で、私はというとただ突っ立っていた。
     「おーい、そっちもう汚染されてるよー」
     「うん、でももうちょっと」
     「そ?」
     遠くから声をかけてきてくれたのはクラスメイトで、生き残ってしまった子。かくいう私も生き残りだけれども。
     私たちのこの世界は、突如現れたイキモノによって変になってしまった。ネットでも見たことない不思議な機械で、道とか家とか消えちゃったし、逃げてる最中に、知らないお姉さんが私を庇って溶けちゃったのを今でも忘れない。
     世界は。この世界は、どうなるんだろう。
     あのイキモノに勝つ方法なんてないだろうし、怯えて生きてくのも怖い。どうして生き延びちゃったんだろう。あ、でも。
     「おなか、すいたな」
     「へい、ポテチあるよ。一緒に食べよ」
     「……いいの」
     「もち」
     「ちょっと湿気ってる」
     「んじゃ湿気ってないポテチさがそ」
     そうやって、差し出された手をとった。
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