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小説書いったー
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Kwhetf
2022年6月1日
『湿度』
空が巻層雲に包まれると、あの男の中弛みした湿り気を思い出す。曰く、それは真心と言うが、私の知る真心とまるで違うので、おそらくはエンコードかデコードのどちらかが誤っている。
彼が傍にいたいと言ったので、私はそれを容認したが、与えられたのはじめじめと纏わりつく不快感であって、温かい抱擁ではなかった。寒気。執着の熱源は彼自身ではなく、私から吸い取った熱を放射しているに過ぎない。その熱を以て彼は、私の心さえも奪い取ったのだと勘違いした。
しかして彼は、聞き分けが良くマイナスの熱もよく受け取った。私が嫌だと言えばやめ、私が拒めば離れ、私が泣けば今更な熱を返そうとするので、とうとう終わらせることにした。
彼は何も言わなかった。
待ち望んだ独りだ。
ああ、気持ちの良い乾風。
気持ちの良い乾風。
気持ちの良い乾風。
ただ、気持ちの良い乾風だけが吹いている。
空が巻層雲に包まれると、あの男の中弛みした湿り気を思い出す。曰く、それは真心と言うが、私の知る真心とまるで違うので、おそらくはエンコードかデコードのどちらかが誤っている。
彼が傍にいたいと言ったので、私はそれを容認したが、与えられたのはじめじめと纏わりつく不快感であって、温かい抱擁ではなかった。寒気。執着の熱源は彼自身ではなく、私から吸い取った熱を放射しているに過ぎない。その熱を以て彼は、私の心さえも奪い取ったのだと勘違いした。
しかして彼は、聞き分けが良くマイナスの熱もよく受け取った。私が嫌だと言えばやめ、私が拒めば離れ、私が泣けば今更な熱を返そうとするので、とうとう終わらせることにした。
彼は何も言わなかった。
待ち望んだ独りだ。
ああ、気持ちの良い乾風。
気持ちの良い乾風。
気持ちの良い乾風。
ただ、気持ちの良い乾風だけが吹いている。