• eGFRow12月19日
    AIでプロセカを批判してみた。
    ボーカロイド文化は、キャラクターを売るためではなく、音声合成という技術を広めるためにキャラを使った文化として始まった。そのためキャラ同士の格差、音楽の主導権、クリエイターの自由を統制できず、強い「箱IP」になりにくい構造を持っている。
    『プロジェクトセカイ(プロセカ)』はこの弱点を解決するのではなく、回避する形で成立している。技術としてのボカロを前面から降ろし、キャラクター同士の関係性や成長を描く物語メディアへと変換した点が最大の特徴だ。また初音ミクを象徴として残しつつ主役から外し、箱を食い潰さない配置を取っている。物語を先に置くことで楽曲に文脈を与え、継続的な消費も可能にした。
    しかし、プロセカはボカロIP全体を強化してはいない。新たな象徴は生まれず、プロセカの外にあるボカロ文化を束ねる力もない。あくまで一時的な成功例であり、ボカロの構造的弱さそのものは、今も解決されていない。