• 私の卒業した小学校は、大正時代に開校した古い校舎で、作法室という畳の部屋があった。
    部屋の真ん中には囲炉裏が切られており、茶釜で湯を沸かせるようになっていた。昔は茶道部や華道部があって、使っていたそうだ。
    戦後は茶道部も華道部もなくなり、会議や会合などにたまに使われていた。
    夜、忘れ物などして作法室の前を通ると、戸が小さく開いて、赤い振り袖を着た腕が「おいで、おいで」をするという噂だった。
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