• 僕に残っている1番古い記憶はどことも分からない地下牢からだった。なぜ生まれたのかも、どこに居るのかも分からなかった。ただ分かるのは、ずっとこの場所に居たらいつか死ぬ事だけだろう。
    幼い僕には脱走できるような力もなく、餓死を待つのみだと思っていたが、そんな時にある者がやって来た。
    マントを深く被っていて、性別年齢は分からなかった。その物は牢の格子越しにこちらを見て僕に話しかけた。
    「君は外の世界が見てみたい?」
    「お願い、出して!!」
    僕は必死に答えた。その言葉を聞いたマントの奴は少し口角を上げたように見えた。
    マントの何者かは少ししてから答えた
    「分かった。見せてあげる」

    僕にはこの後の記憶が無い。というのもこれは恐らく前世の記憶なのだ。
    「あーあ、なんで忘れるんだ」
    ため息をつきながら僕はソファに腰かけた
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