• 「ああ、俺もそう思う。もう何もかも諦めた癖に他人を笑う奴はおむつ1枚で街中を歩くより滑稽だ。」
    何も行動しない奴には一生感動も後悔も残らない、少年はそんな男の言葉にやけに流暢に同意した。
    「お前、そんなこと本気で言ってんのか?」
    頭上からこちらを小馬鹿にしたような声が聞こえてきた。
    「なんだよ、さっきと言ってること違うじゃねぇか」
    少年はくちびるをとがらせた。声の主を見上げると、にやりとした笑みがこちらを見つめていた。
    ぷはぁ、手持ちの特大ジョッキを飲み干してから男は豪快な笑い声を発した。「これだから純粋なガキを揶揄うのはやめられねぇな!」
    少年は、真顔になったかと思えば、少しして同じようにニヤリとした笑みを浮かべた。
    「度が過ぎる。次やったらただじゃ置かないぞ」
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