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「とりあえず服汚れたし、【あの場所】もどろ~」と車椅子の少女が言う。はてあの場所とは?と首をかしげていると、廃れた商店街の奥、シャッターがしまってない店をさがす方が難しいところに行くことになった。煙草をふかしている、小汚ない中年と問答をしていると突如階段が現れた。言葉が出ない男の子に、同級生の女の子が肩を押す。
扉を開けた先で、またしても男の子は言葉を失った。目の前の景色は、祖父の家そのものだったから。リビングに置いてある広い机も、隣の部屋の座り心地がよかったソファーも、全てがそのままだったのだ。どうして、と口が形だけ動く。だって祖父の家は一軒家で、こんな場所にあるはずがない。物だけがやたらと散らかっているが、通いなれた家だった。
乾いた口から出たのは、「もしかして、ずっとしているんですか」だけだった。
「ずっと? ……いつからかは知らないけど、うちのリーダーが若いときからやってるっぽい」
もし、祖父の代から続いていたのならば。 -
「貴方のお父さんの死因を知りたくない?」と。父さんは432なんてするはずがない、とずっと疑っていた男の子はすぐに頷いた。連れていかれた先で出会ったのは、多種多様な人物の集まりのグループで、性別や年齢こそ違えど、目だけは同じように、なにかに燃えていた。
「君のお父さんは、何者かに理不尽にころされた」
「君のように、あつい怒りを持っている者たちがここにいる。君さえよければ、共に戦う群とならないか」とリーダー格であろう中年期に問いかけられたが、それに頷くことは出来なかった。父の仇をとったあとのことを考えられなかったから。