ホーム
Tterを探す
検索
通知
マイページ
マイTter
お気に入り
つぶやく
環境設定
tters
Y
N
G
H
M
B
ホーム
Tterを探す
通知
マイページ
トップに戻る
小説書いったー
読み込み中...
snRPlm
2022年6月4日
耳と尻尾が生えた長身の青年は、僕に呟くように話した。いつもは明るい彼だが、今日は元気がないようだ。
「雨は嫌いなんだ。濡れたら寒気がする。身体が火照って動けなくなる。それに……。」
目を伏せた。顔が異様なほど青ざめている。
人目を引く銀色の大きな尻尾も、ふわふわで柔らかそうな耳も、今はぐったりと項垂れたままだ。
「どうして雨が苦手なの?」
僕は彼に問いかける。
しばらくしたあと、ぽつりと呟いた。
「怖いんだ。」
「雨に濡れたら、俺じゃなくなってしまう。」
彼の身体は、小刻みに震えている。
「別人になってしまうんだ。何もかもが。」
謎めいた言葉をつぶやいた。
「頼む。」
許しを講うように跪いた。
何かに脅えているみたいだ。
目の前で両手を合わせる。
彼の身体の震えは一層強くなる。
「君は俺を閉じ込めないでくれ。」
「頼むから、別人になってもショーケースに入れて飾ったりしないでくれ。お願いだから。」
僕は彼の背中をゆっくりさすった。
最後まで僕を見つめたままだった。
「雨は嫌いなんだ。濡れたら寒気がする。身体が火照って動けなくなる。それに……。」
目を伏せた。顔が異様なほど青ざめている。
人目を引く銀色の大きな尻尾も、ふわふわで柔らかそうな耳も、今はぐったりと項垂れたままだ。
「どうして雨が苦手なの?」
僕は彼に問いかける。
しばらくしたあと、ぽつりと呟いた。
「怖いんだ。」
「雨に濡れたら、俺じゃなくなってしまう。」
彼の身体は、小刻みに震えている。
「別人になってしまうんだ。何もかもが。」
謎めいた言葉をつぶやいた。
「頼む。」
許しを講うように跪いた。
何かに脅えているみたいだ。
目の前で両手を合わせる。
彼の身体の震えは一層強くなる。
「君は俺を閉じ込めないでくれ。」
「頼むから、別人になってもショーケースに入れて飾ったりしないでくれ。お願いだから。」
僕は彼の背中をゆっくりさすった。
最後まで僕を見つめたままだった。