• 前には暗闇、後ろにはゼノ。逃げるような体力も残っていない。どうすることもできず、シオンはルビーの指輪をギュッと握り締める。その時──
    「嬢ちゃん。……嬢ちゃん、聞こえるか?」
    ──森の中から、聞き覚えのある声がした。