• (駄目……。わたし、また弱い子に戻ってる。何のために、お屋敷を抜け出したの?何のために、ベリタルと一緒にここまで来たの?何のために──)
    シオンはギュッと目を閉じ、ルビーの指輪に祈りを込めた。
    (お願い、お母様。わたしに……わたし達に、力を貸して!)