• 青い城 ルーシー・モード・モンゴメリ
    (蒼い城とも訳されてる)

    29歳独身の主人公は厳しい母に育てられ親族には見下され嫌味をいわれ、美人の友達の引き立て役にもされるわで散々な日々を送っていたが、
    「あと一年」の余命を宣告されてから「好きなように生きる」決意をする。
    最初は主人公が周囲に抑圧されて鬱な気分になるが、余命宣告で開き直ってからの親類達に容赦ない主人公の言動は読んでて爽快!
    後半はほぼロマンスで甘くて美しい描写が続く。

    読んだあとで、主人公の親類への台詞は作者の主張が含まれてるのではと思った。
    体面を重んじる形だけのキリスト教徒への皮肉めいた痛烈な批判は的を得てて面白い。
    愛が何かも理解せずに聖書を引用してたしなめる偽善的な親類より、真の"隣人愛"を発揮した主人公のほうが紛れもないキリスト教徒だと思った。
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