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コーラアイコンが並んでたのが面白くて… -
いても立ってもいられなくなった俺は、部屋着にしている中学時代の紺ジャージのまま外に飛び出す。右ポケットに小銭、左ポケットに家の鍵。足元はキティちゃんのサンダル。
「しゃーせー」
名前を知らないだけの顔見知りとなった店員の挨拶を聞き流し、俺はドリンクコーナーに向かう。モンエナ、コーヒー、酒、水、ポカリ。色とりどりのペットボトルや缶が並ぶ棚は、まるで南国の花鳥園のようだ。だが──。
──ない。赤と白のロング缶、もしくは茶色のペットボトル。そのどちらも見当たらない。右を見ても左を見てもコーラは無い。ガラスに映った己の姿を見て、酷い寝癖が残っていることにようやく気がついた瞬間、心のろうそくが吹き消される。
さっきまでの高揚感はどこへやら、今はただひたすら帰りたかった。サンダルをペタペタ鳴らしながら店を出る。
「っーしたぁ」
気の抜けたコーラのような挨拶を背中に受けながら空を見上げる。多分、明日も雨だろう。
あーあ。