• 私はくらげが嫌いだ。

    私はくらげについて研究している。

    高校生の頃、私にはなんでもできるわけでは決してないけれどとても優しい彼氏がいた。彼がなぜ私なんかのことを好いていてくれたのかはわからないままだ。
    ある日、彼と一緒に海に行った時くらげに噛まれそうになっていた私に気づき、咄嗟に私を抱え上げ代わりに自分の足を刺されたのだ。

    そう、そして彼は命を落としたのだ。
    もともとくらげのアレルギーだったのだろう。

    そして私は彼の命を奪ったくらげがまた誰かの命を奪うことがないように、守れるようにくらげの研究をはじめた。

    そしてくらげに費やした年月は彼が生きた時間をこえた。
    けれど彼らに愛着がわくことはなかった。

    私はくらげが嫌いだ。
返信の受付は終了いたしました。