• 返信先: @自分 「おい!!」
    「うぉぉ〜まじかぁ」
    俺たちは銭湯の靴箱の前で座り込んだまま、子供のように互いの肩をつかんで揺らした。 
    笑いがこみ上げる中で、自然と目を見合わせる。
    「お、お前開けろよ。タトゥーの全貌覚えてたのはお前だし」
    「じゃあせーので開ける」
    俺たちは片手を金庫のふたにそえて、声を揃えた。
    「……せーのっ」

    ぱかと開いた金庫には、くたびれたボロボロのタイツが入っていた。
    「出してみるぞ」
    「これ……灰色、か?灰色は外れじゃなかったのか?」
    「とりあえず撮る」

    薄暗い銭湯でピントを合わせるのを待っている間、俺は何かに気づいていて体を硬直させた。
    この建物には、俺たち以外に誰かいる。
    シャッター音の合間に、確実に床のきしむ音が聞こえたのだ。
    ピアス男に伝えようと声を出す直前、その誰かの声が響いた。

    「それはね、白タイツなんです」
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