• 返信先: @自分 「お前が入れた?」
    「俺、タトゥースタジオで働いてるから。若者向けの店なんだけど、結構なおっさんが来て担当したから覚えてんだよね」
    「そうだったのか?!で、何て書いてた?!」
    「あれってタイツじゃなかった。タイツチョウ、だ。4文字どころか6文字になっちったなぁ」
    やっぱだめか、とつぶやくピアス男の横で、俺はひとり興奮して手を震わせていた。

    「バカ、タイツじゃなくて田井津町だろ?!井戸の井が4なら、絶対画数だろ!」
    「カクスウ?」
    「見てろ!まず田んぼの田が、5!んで、井が4!」
    宙に指先で文字を書くようにして画数を数え、ダイヤルをその数字に合わせる。
    興奮する俺の隣で、ピアス男がようやく合点がいったかというようにあぁ、とつぶやく。
    「津は9だな」
    「9……と。で、最後が町の……7か!」
    その数字を入れた途端、金庫の蓋からカチリと小気味のいい音が響いた。
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  • スレ主(6Adv2F)2023年7月13日
    返信先: @自分 「おい!!」
    「うぉぉ〜まじかぁ」
    俺たちは銭湯の靴箱の前で座り込んだまま、子供のように互いの肩をつかんで揺らした。 
    笑いがこみ上げる中で、自然と目を見合わせる。
    「お、お前開けろよ。タトゥーの全貌覚えてたのはお前だし」
    「じゃあせーので開ける」
    俺たちは片手を金庫のふたにそえて、声を揃えた。
    「……せーのっ」

    ぱかと開いた金庫には、くたびれたボロボロのタイツが入っていた。
    「出してみるぞ」
    「これ……灰色、か?灰色は外れじゃなかったのか?」
    「とりあえず撮る」

    薄暗い銭湯でピントを合わせるのを待っている間、俺は何かに気づいていて体を硬直させた。
    この建物には、俺たち以外に誰かいる。
    シャッター音の合間に、確実に床のきしむ音が聞こえたのだ。
    ピアス男に伝えようと声を出す直前、その誰かの声が響いた。

    「それはね、白タイツなんです」