• 返信先: @自分 「よぉ、振込まれてたか?」
    「おう!完璧!」
    いつかのファミレスで、俺らはあの席に座っていた。あいつの前にはチョコバナナパフェ、俺の前にはコーヒーだ。

    「でも本当に分け前あの値段で良かったのかよ。借金返したら殆ど無くなるんじゃねーの」
    「……まぁ、色々考えたけどこれでいい。余計に金があったら俺はまたろくでもないことしそうだからな」
    「ふ〜ん、そっか」
    目を伏せてアイスを拭うその姿は変わらないが、今ではこいつの目がイッてるなんて思わない。
    顔が整ってて目つきが整ってないだけの、ただの好青年だった。

    「お前だって、自分のスタジオ持つんだろ?準備は進んでんのかよ」
    「おう。アパートの一室かなんかで考えてたけど、金があるからけっこういい店持てそうだ」
    ピアス男……ではなくタトゥー男は、そう行ってはにかんで笑う。

    その時二人だけだったボックス席に、ぼすりと誰がが座ってきた。
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  • スレ主(6Adv2F)2023年7月13日
    返信先: @自分 「どうも、おつかれさんです」
    その声と眼鏡には、しっかりと覚えがあった。
    「あれ、確かタクシーの?」
    「へへ、俺が呼んだんだ。関係者だったみたいだから」
    タトゥー男がにやりと笑って、メニューのタッチパネルを渡す。運転手の頼んだ山盛りのパスタがやってきたときには、俺たち3人はすっかり話し込んでいた。

    「じゃあ、アプリやなんかを作ったのは運転手さんだったんすか?」
    「ええまあ、私もあの人も、ここらで育った昔馴染でね。小さな子供のころからあの銭湯には連れてかれてましたから、そのよしみで。幸い私はその方面では小器用でしたし」
    「じゃあ、タクシーで客に話を広めてたのは……」
    「亡くなった奥さんはそりゃあ素敵な人でしたからね〜。あの人の大事にしてたものをこの町の皆の宝にしたいなんて、ロマンがあって手伝いたくなるじゃないですか」
    パスタを口いっぱいに頬張ってうっとりとする運転手に、そんなもんかなと不思議に思う。

    「結局、人間は愛ですよ、愛。例え相手が何でもね」