-
お題で小説書いったー
-
- 読み込み中...
VcQRRH2022年8月10日おれはおれなりの傷心を抱えて、寂れた村だと決めつけた漁村の駅に降りた。なんの期待もせず、薄暗い駅舎の駅員に「ここらで見るところはあ?かね?」と聞いた。思いがけず明るい声で、「それなら、くらげ御殿に行きなされ!」と勧められた。そういうものもあるのかと、駅員の手描きの地図を頼りに、くらげ御殿に歩みを進めた。そこに、たしかに、くらげ御殿はあった。御殿はくらげの意匠に異常に飾られていた。おれはこの建物がなんなのかわからずに立ち尽くした。すると、中から割烹着の女が一人出てきて、「海鮮丼、まだありますですよ」と言う。おれは、少し高い海鮮丼を食べた。来た道を戻って、東京に帰った。おれなりの傷心はえらく安いものだと思った。 -
返信の受付は終了いたしました。