• ふわふわと揺蕩うもの。

    海中で見るそれは、時により癒やしとなる。

    今見ている場所は水族館でのそれだけど。

    仕事に追われているからか、時々彼らが羨ましくなる。

    彼らのように、自由に海を、流れるままただ揺蕩うだけの生き方が出来たら…と。

    ただ、彼らは如何なのだろう?

    彼らも、もしかしたら自分達のように海の外に出て、思い切り空気を吸えるだけの生き方が出来たら…と、思っているかも知れない。

    有り得ないな、と思いつつも、恐らく彼らにも彼らの苦悩があるのかも知れないとも思った。

    自分にとって、彼らが励みになるように。

    彼らにとっても、自分達が励みになれたら。

    水族館を出た頃には、空の天気のように妙に晴れやかな気分になった、そんな八月の束の間の休息。