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小説書いったー
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S/i/XV
2022年6月10日
「紫陽花の色は土で決まるんですって」
彼女は道端の紫陽花を見て言う。
僕はてっきり種で決まると思っていた。
曰く土壌が酸性なら青系、アルカリ性なら赤系になるらしい。
「土に合わせて色が移ろうの。綺麗ね」
「うん」
「でも白もあるでしょう?あれは色が変わらないの」
鮮やかな紫陽花の中にぽつんと白い紫陽花が混じっていた。変わらないものもあるのか。
「白い紫陽花は色の成分を持ってないの。だから変わらないのね」
そうなのか。
それじゃあ変わりたくても変われない。周りについていけない。
そんなのは寂しいと思う。
僕がつまらない感想を言うと、彼女は笑った。
「そうかしら。移ろう美しさもあるけれど、変わらない美しさもあるわ。一本筋が通っているみたいで、私は白の紫陽花が好きよ」
僕はあまり白の紫陽花に目をとめることはなかったが、彼女の話を聞いて以来意識するようになった。
色を持たない。
それもまた個性の1つなのだ。
無彩色で周りに馴染むのが下手な僕は、白の紫陽花に勇気を貰った。
彼女は道端の紫陽花を見て言う。
僕はてっきり種で決まると思っていた。
曰く土壌が酸性なら青系、アルカリ性なら赤系になるらしい。
「土に合わせて色が移ろうの。綺麗ね」
「うん」
「でも白もあるでしょう?あれは色が変わらないの」
鮮やかな紫陽花の中にぽつんと白い紫陽花が混じっていた。変わらないものもあるのか。
「白い紫陽花は色の成分を持ってないの。だから変わらないのね」
そうなのか。
それじゃあ変わりたくても変われない。周りについていけない。
そんなのは寂しいと思う。
僕がつまらない感想を言うと、彼女は笑った。
「そうかしら。移ろう美しさもあるけれど、変わらない美しさもあるわ。一本筋が通っているみたいで、私は白の紫陽花が好きよ」
僕はあまり白の紫陽花に目をとめることはなかったが、彼女の話を聞いて以来意識するようになった。
色を持たない。
それもまた個性の1つなのだ。
無彩色で周りに馴染むのが下手な僕は、白の紫陽花に勇気を貰った。