祖父に先立たれた祖母が世を去るまでは一緒にいたかった。どんなに汚い仕事や嫌な役割でもやるつもりだった。でもボケて別人みたいになって自分のこともわからないような状態になったりしたら最後まで面倒を見られる自信なんかないから、祖母のことは実の娘である自分が今この世で一番嫌いな伯母に任せて自分は家を出るのが正解なんだと思う。祖母のことだから明日には気が変わっちゃうかもしれないけど、今日は自分のことが一番好きだと言ってくれたから。でもやっぱり悔しい。最後まで一緒にいたかった。自分がもっと優しくて何でも器用にこなせる出来た人間だったらよかったのに。自分は誰のことも好きじゃないし信用してないし自分が幸せじゃないのに他人の幸せを願うほどお人好しじゃないけど、祖母だけはこの先もう嫌な思いをすることなく優しくしてくれる人と一緒にゆっくりしてくれたらと思う。