• 大吾は飛んで一歩距離を取る。虫嫌い、という訳では無いはずだ。彼は次に虫特有の華やかな煌めきを放つその鱗一つ一つを観察していた。どうやら自然光がある角度を掠めた途端、夜空を一縷駆けるほうき星のように、そして見つけた者の目を奪う。それから湿っぽい空気が街中を掻い潜りきる間に事の全ては終わった——
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