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掲示板に於ける保守という言葉の使い方からイメージを膨らませて書いてみました -
女は男に問う。風に吹かれる黒髪がさらさらと音を立てているようだった。
薄汚れたガードレールに腰かける女は、ねぇと重ねて問いかける。
「きみは、何を守りたい?」
この星の未来?親に見捨てられた子猫?それとも、大切な誰か?
どこか弾んだ声音は子どもの無邪気さを思わせた。トン、と地面に足を付けば、白いワンピースの裾が揺れる。
「僕は、きみを護りたい」
女が手のひらの汚れを払うために俯いた頭上に、男の声が降った。
驚いた様子で男を見上げた女は、やがて不器用に笑う。
「あはっ、やっぱりきみは優しいんだねぇ。……いま、お別れの話してたのにさ」
再び俯いた女の手を男は黙って握った。
「私を護っちゃったらさ。この星も、親に見捨てられた子猫も、きみの大切な誰かも……ぜんぶ、死んじゃうんだよ」
泣き出しそうな声が男を止めようと訴える。その、震える肩を男は抱いた。
「……僕は、きみのこともこの星も全部護るから」
そうして、決して叶えられない誓いを立てたのだ。