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ちなみに「巷説百物語」シリーズに登場する又市(ただし名前だけ)・治平・徳次郎が先立って登場している
(時列的に「前〜」より後、「巷説〜」より前で、「続〜」の「死神」にて治平が語っていた又市と初めて出会ってからの初仕掛けこそが今回の話だと思われる) -
何をしてもうだつの上がらない男、小平次は、「ただ其処にいるだけ」で周囲を恐怖させる幽霊を演じる事には右に出る事がいない役者であった。
小平次本人は特に意図せず「ただ其処にいる」で周囲に燻っていた憎しみ・疑心・陰謀が湧き上がり、そして最後に残ったものは…。
「江戸怪談シリーズ」の第二作、全編を通して、じっとりとした薄気味悪さが付き纏ってくる様なお話でした。
何にも成れなかった者達が焦がれていたもの、その執着が辿る末路、最後の小平次とお塚の関係、う〜ん、これもまた「愛の形」なのかなあ…。