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小説書いったー
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zqUdo9
2022年6月14日
「ここに、ね」
腹の上に女が乗っている。武器など一度も手にしたことのないだろう、しなやかで血の通わぬような白い指が。地図でもたどるように胸を擦った。布地を滑るだけのむず痒さに揺らいだ身体に、嘲るような視線が刺さっていた。
「種を植えるの。そこら辺で拾ったもの。そしたらいったい、どんな花が咲くのかしら」
女の指は胸の芯を示していた。女の触れた箇所は熱を持つどころか、雪のように冷えている。
だらりとシーツにおろしたままだった腕を上げて、女の甲に添える。氷のように透き通る肌は金属の温度に似ていた。
「僕に選べるなら……君が好きな花にしようかな」
「知らない癖に」
「教えてくれないのかい?」
「だめよ、」
――もうそんなの、意味ないもの。
耳元で微かな囁きが響き、そのまま女は消えた。
「……やっぱり菊か、百合が似合うかな?」
死んだ女が会いに来てくれるなら、金縛りだってかまわない。いつまでも胸に残る彼女の笑顔は、まだ枯れてくれそうにないのだから。
腹の上に女が乗っている。武器など一度も手にしたことのないだろう、しなやかで血の通わぬような白い指が。地図でもたどるように胸を擦った。布地を滑るだけのむず痒さに揺らいだ身体に、嘲るような視線が刺さっていた。
「種を植えるの。そこら辺で拾ったもの。そしたらいったい、どんな花が咲くのかしら」
女の指は胸の芯を示していた。女の触れた箇所は熱を持つどころか、雪のように冷えている。
だらりとシーツにおろしたままだった腕を上げて、女の甲に添える。氷のように透き通る肌は金属の温度に似ていた。
「僕に選べるなら……君が好きな花にしようかな」
「知らない癖に」
「教えてくれないのかい?」
「だめよ、」
――もうそんなの、意味ないもの。
耳元で微かな囁きが響き、そのまま女は消えた。
「……やっぱり菊か、百合が似合うかな?」
死んだ女が会いに来てくれるなら、金縛りだってかまわない。いつまでも胸に残る彼女の笑顔は、まだ枯れてくれそうにないのだから。