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金田一ものは数作品しか読んでないが、長編横溝正史作品において必要なのは「新しい思想を持った女の子」だと考えられる。(高橋源一郎もそんな感じのこと言ってる)家制度が法的に解体された日本で家族というものを新しく作るには家制度のことを知らない、もしくは家制度をぶち破れるような大恋愛ができる元気な女の子が必要。上のポストで『3人ヒロイン』と言ったが、その3人ヒロインのうち2人は家制度に絡め取られてしまった女性であり、その2人が好きな相手に「結婚しよう、家も財産もどうだっていい!」と言えていたらこの悲劇は多少は回避できた可能性があると感じた。 -
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しかし最後の1人のヒロインも最初からヒロインではない。最後のヒロインは未熟児で生まれたせいもあり、初登場時は子供っぽさが強調されている。事実、主人公からの第一印象はあまり良くない。しかしヒロインは主人公に対して熱烈な初恋をして大成長し、主人公を精神的にも身体的にも救ってしまう。実は、金田一初登場作品「本陣〜」にも似たようなタイプの女性が登場するものの、後日亡くなったことが語られる。このヒロインは、「本陣〜」のキャラクターがもし成長できたら、という気持ちで書かれたのかもしれない。 -
映像化の「祟りじゃ〜!!八つ墓の祟りじゃ〜!!」で有名なアレ。なお実はこのバージョンの映画は市川崑と石坂浩二のタッグではなく、野村芳太郎と渥美清のタッグ。なおかつ登場人物が多いので映像化においては省略などが多くなりがちな作品。一人称小説で金田一は探偵役として端役的扱い。
金田一ものは因習村!とか歌による見立て!!みたいなドロドロをイメージしがちだが、本作は実は『洞窟探検』と『ヒロイン3人のギャルゲ的状況』がメインとなる、比較的読後も爽やかな青春冒険譚だった。