異性愛者であることを前提とした扱いを受ける度に、前よんだクィア・リーディングについての文章に「異性愛という轟音をかきわけて、その向こうでかき消されている叫びに耳を澄まさなくては」的なことが書いてあったのを思い出す。異性愛が悪いというつもりは全くないけど、それはそれとして、すでに激しく響いていて必ず耳に届く轟音ではあるんだよな

「AセクAロマなんで恋愛したくないしsei的接触もしたくないよ」というのを「ヘテロの言うことなんざクソ食らえ」みたいなニュアンスで受け取られるとびっくりする
異性愛者というsei的指向を否定してないよ、相手がどんなsei的指向だろうと恋愛至上主義とseックス神話を強要されるのが嫌なだけだよ

自分の恋愛感情を受け入れてもらえなかったのが悲しい→まあわかる
自分の恋愛感情を受け入れてもらえなかった理由を聞いてもよくわからなかった→まあそういうこともあるだろうね、私もsei的に惹かれる人や恋愛したがる人の気持ちを完全に理解することはできないし、人間はみんな違うからね
自分の恋愛感情を受け入れてもらえなかった！思わせぶりな態度取りやがって！言いふらしてやる！→？？？？？？？思わせぶりな態度なんてあくまで自分基準であって、他人からしたら何が思わせぶりかわかりようがなくない？「拒否をしなければイエスということ」じゃないよ？「拒否をしない＝自分に気を遣っているか、自分に怯えていて行動が取れないか」という場合を含むし、そういうニュアンスじゃないか確認する方がむしろ他人と接する上で大事だよ？そういうのを怠った責任を他人に転嫁した上言いふらしたりするの、逆ギレって言うんだけど知らないの？

「友達でいたかった」って振る側だって、普通に友達として仲良くしたいという希望が却下されてる点では振られた側と同じなのに、わりと悪者扱いされるよね

本当にありとあらゆることを恋愛に結びつけたがる社会だよね、「二人きりで食事に行ったら脈あり」から始まり「異性の部屋に行ったらそれはsei行為したい合図」だの、「足をくっつけて離さなかったらそれは両想いってこと」だの……「相手が拒否しなければそれは自分にとってイエス」というサインにしたがり、そしてそれを知らない人間が常識がなく悪いことをしたかのように責める
はっきり言って「馬鹿じゃないの？」と思う
ああいう自分にとって都合のいいサインなんていくらでも捏造出来るし（究極的にはその相手とやりたいことを、恋愛のサインとしてこじつけた上面白おかしく吹聴すればいいんだから）、自分の意図をはっきり説明して同意を取らないと言うのは「可能な限り自分の負担を少なくして相手と恋愛やsei的関係に持ち込みたい」という、自分の行動に責任を持たず相手の意志も尊重したくないようにしか見えない
安心できる状況ではっきり口から言ったイエス以外全部ノーだよ、本当に

異性と２人きりで食事に行く＝お互い恋人になりたいに決まってる！って意見見かけてマジで！？って心の底から驚いてるわ
全然分かんない…異性の人と2人で食事行こーって誘われたからのこのこ着いて行って口説かれてドン引きして帰った事あるけどすげー悪いことしちゃった…何もピンと来てなかった
こういう恋愛面が激烈ににぶちんだからやっぱ自分マジでアセクなのでは…

どうやら恋愛したい感情はは「独占をしたい」、sei的に惹かれる感情は「その人が見知らぬ他人であっても、身体的に近くなりたい衝動」のようなものらしい　まあ個人差はあるんだろうけど
で、多分恋愛とsei的表現が一致してる人は上記の掛け算がされてる状態なんだと思う、「見知らぬ他人であっても」がちょうど好きな相手を独占したいに書き換えられてる感じ　バフがかかってるとでもいうのかな
そんでsei的な惹かれがそういうものらしい以上、Aセクでなくともsei的惹かれを気持ち悪いと思う人がいるのはパーソナルスペースに侵入されてるような感覚の面もあるんじゃないかと感じる　独占したいのバフが働けば逆に相手を自分のパーソナルスペースに入れたいんだろうけど、バフが働かなければそうじゃない人間は入れたくないというか
で、「相手の性別がこうだから好き」は「身体的に近くなりたい」衝動が先にくる、いわゆる性別が入り口で後から好意を抱いたりしてる感じなんじゃないだろうか

多数派における友達としての好きと恋愛としての好きの違いは結局「身体的接触をしてもいいよ！」なの？多数派は特定の人間を好ましく思うとき「身体的接触は嫌だな」と「身体的接触したいな」で分かれるもんなの？わからなすぎ(笑)
てか人を好きになるのにまず本人の性別を先に見るんだ？そんな簡単なものじゃなくてその人の内面をもっと見たらどうなの？と思っちゃうからよくない

sei愛じゃなければ「清らかな愛も素敵だよね」と言うのも正直嫌だ
「愛情が清らかかどうかってsei的接触の有無で決まるの？その人が相手をどう尊重するかより、行為の有無が優先されるのおかしくない？」と思っちゃう
まあそもそも人の愛情が清らかかどうかジャッジするの自体ナンセンスだとも思うけど
何つーか、sei的に惹かれない好きだろうが、sei的に惹かれる好きだろうが、お互いをきちんと尊重し合える関係で幸せになれることが愛なんじゃない？
ただ現実ではsei的指向が違うと後者はそういう尊重がされやすい環境じゃない、そしてそういう壁にAセクはぶち当たりやすいのが難点だし現に生きづらいけど……多様性が真に理解される世の中に早くなってもろて

恋愛に興味が無いからしっかりお断りして異性絡みの揉め事を起こした事がない独身と、興味ありすぎて取っ替え引っ替えして不倫二股中絶など経験した既婚者ならまだリアルだと後者の方が社会的に評価されてると思う。ネットだと最近は逆かな？と思うけど……ちょっと納得いかない部分だったりする。

親孝行の中に結婚して孫を産む、があるのがすごくしんどい
定期的に泣きたくなる

「恋愛・sei的接触が嫌な人間がいることが何故想像できない人が多いのか」について考えてみたけど
①LGBTQ＋についての教育がただでさえ不十分な上にAセクAロマの認知度が低い
②恋愛と結婚は豊かな人生に必要不可欠という刷り込みが社会全般にされている（これが刷り込みじゃなかったら婚活なんてビジネスで成り立たないと思う）
③sei的同意をとることやsei的尊厳を守ることを軽視しがちな風潮がある、sei教育が不十分
④愛しているなら何やってもいい、もしくはやってはいけないと認識されても美談にされがちだったり「悪気はなかったんだから許して」と被害を受けた側に許しを求めがちな風潮がある
みたいな感じかな、と思ってる
sei的な接触というものは世の中を反映する、と言われてるそうだけど確かにそうなんじゃないかなあ……ジェンダーだったり、sei的指向の扱われ方だったり、愛とは何かだったり、そういうのが混ざり合って今の状態な気がする

なんで恋愛感情を向けられると、嬉しくなるんじゃなくて気持ち悪くなるんだろう…相手の大切な気持ちを素直に受け入れられない自分が時々嫌になる…

そんなに凹まないでくれよ。何もあなただけを恋愛的な目で見れない訳じゃない。全人類を恋愛的な目で見てないだけだよ。

何となくだけどさ、SNS上で流れてくる同性愛を扱った漫画（いわゆる最初からBLや百合じゃない）は悲恋にしろハッピーエンドにしろ、大体「こんなこと言ったら気持ち悪がられるかと思ってた」とかマイナスな発言がついてる気がするんだよ
世情を反映しないとリアリティや読者からの共感は生まれない、まあそれはわかるんだけど
でもああいうシーンを読むと「ああ多様性がどうとか言いながら、未だに世の中にいる沢山の人の目に触れやすい創作物で同性愛は『禁じられた愛』扱いするんだな、最終的に綺麗な終わりになれば『世間から認められた愛』になると思ってるのかもしれないけど、『気持ち悪がられるかもという恐れ』を描く時点で結局『禁じられた愛のバリエーションの一つ』でしかないんじゃないの？」という気持ちにもなる
そして禁じられた愛を好むのと同じように、他人と恋愛したくない人間を「奥手な恋愛のバリエーションの一つ」としてみなしてるんじゃないのか、そう言いたくなる時がある

そういやロマンティックにも種類があるんだよね
Aロマ→自分と他人との恋愛を望まない
リスロマ→片想いで良い、両想いは望まない（蛙化現象は両思いになりたかったけどいざそうなったら嫌になる現象なので、リスロマとはまた違う）
デミロマ→強固に信頼した人間に恋愛感情を抱くことがある（いわゆる奥手な恋愛と違うのは、関係性の土台に恋愛があるんじゃなくて、恋愛以外の強固な信頼関係がある場合に稀に発生することがあるので、最初から恋愛的に相手に惹かれているわけではない）
グレロマ→恋愛を全然しないわけではないが最優先事項じゃないしそこまで惹かれない
クワロマ→友情と恋愛の違いがわからない
パンロマ→性別に関係なく全ての人に恋愛感情を抱く
バイロマ→男女両方の性別の人に恋愛感情を抱く
ホモロマ→同性に対して恋愛感情を抱く
ヘテロロマ→異性に対して恋愛感情を抱く
……とパッと見でもまあこんだけあるけど、まだ名前が付いてない感情もきっとたくさんあるんだろうね

正直死ぬまで自分がAロマかどうか分からない気がするから困ったな
でも人を好きにならないって悩みを打ち明けると何故か同性愛者なんでしょ？みたいな雰囲気になるのなんなん？恋愛感情ない人間がこの世にいるって想像すら難しいの？

「本当だったら結婚して子供もいる歳」とか「本来なら彼氏がいてもおかしくない」とか、そういう「恋愛至上主義が本来の姿」みたいなのが溢れてる言葉に遭遇すると心底嫌な気持ちになる　　
食べてる料理が一気に味しなくなるような感じ
うるせー知るか、本当の人生も本来の姿も何も今生きてるこれが私の本当の人生であり本来の姿だよ
逆に「人間の本当の人生と本来の姿がこうだから……」って恋愛至上主義に縛られて、恋人や結婚してる人も中にはいるんじゃないの？

恋愛に限らないけど、好意に関しては他者評価が全てみたいな風潮あるよね。
相手が行為もって”くれてる”のにどうして嫌なの？みたいな
そもそも求めてないのに、他者からの好意を受け取らないのが悪みたいな。
好きだったら何してもいいと潜在的に思ってる人も多いと思ってて、そういうのが透けて見えると関わりたくないなと思う。

友達作るのも難しいんだよな。

そう言えば「恋人を喜ばせるためにこんな服を着る」みたいなやつ、謎だなあと思ってた
喜んでほしくてその人が好きな場所に行くとかならまあわかるんだよ
でも服って基本的には自分で選んで着る物で、ある意味アイデンティティの表示にもなるものじゃない？「こういう雰囲気の服が好き（落ち着く）だから着てる」と自分の心が反映されるみたいな
なので「恋人を喜ばせるためにこういう服を着る」というのは、「自分の心を反映するものを否定してでも、恋人の欲求を満たすことを優先する」というのに繋がりかねないように思う　
まあそれも人によっては好意の表し方の一つではあるんだろうけど、美談のように賛美されるものではないよねという……行ってみたかった場所に行くことは別に誰の自尊心も削れないけど、これは「心を尊重する」段階が抜け落ちているので
恋愛関係がそういう境界線を踏み越えることを肯定するものなら嫌だしいらないな別に……と余計に思ったのを覚えてる