胃袋をつかめば男も女もガッチリよ！

納豆を分け合い、仲直りが成功したらしい。

海岸からかもめが飛んできて、仲直りしなよ…とふたりに言ったそうな

いとも簡単に二人の絆は崩壊した。
あの海で誓った愛はこのたこ焼きのように冷めてしまったのか。

「無粋にも程があるにゃ！しばらくチュー兵衛って呼んでやるにゃ！」
忠兵衛はおのれのうっかりを嘆いた。冷めていくたこ焼きが物悲しい…

「にゃんや貴様！どこのメス猫と間違えとんのにゃ！」
妻は一気に尻尾を膨らませ、シャーっと牙を剥いた。

実はこの夫婦、猫である。忠兵衛は「ちゃう！ちゃうのにゃ！」と慌てて叫ぶ。

「ルーシィ、会いたかったで～」
忠兵衛が言うと妻の顔が般若のように…

たこ焼きを買ってきた忠兵衛は妻を抱きしめる

「ダーリン！」
妻も覚えたての英語で応じた

たこ焼き買ってきたで〜！
江戸っ子のはずの忠兵衛がエセ関西弁を引っ提げて帰ってきたようだ。

「ランランルー！」
どこからか聞き馴染みのある声が聞こえた。

留守を守る妻は気を揉んでいた。
たこ焼きが冷めないうちに帰ってこいって言ったのに、一体いつ帰ってくるのかしら！？

脚力には自信があるのだ。忠兵衛は大阪へとひた走る。

江戸から大阪へ飛脚を走らせた。　
急いで知らせなきゃ！

大変だ！こうしちゃいられねぇ！

リッツパーティーの夜はこうして更けていった。

メールフォームにもたくさんの感想が寄せられた
「お弁当おいしかったです！おかわり！」