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次の日。
シャランちゃんと一緒に朝ごはんを食べたあと、今日はどこへ行こうかと考えていたちょうどその時玄関の扉からノックの音が響いた。
お互い顔を見合わせるが、どっちも表情が「知らない」と言っている。だいたい、音がずいぶん低いところからしたように思えたのがまた不思議だ。
首をひねりながら、開けるためにドアに近づいた。
「はーい、どなたっポン?」
ドアをゆっくり開ける。
朝のいつもの光景が見えるだけで、誰もいない。
と、足元から声がする。
「おはようパンダー。青髪のお嬢さん、昨日のことでお話が」
ドアを閉める。
「シャランちゃん、昨日のぬいぐるみに家がバレたポン」
「えっ?」続きを読む -
言いかけたソランの声が冠のフクロウに届くことは無かった。フクロウがさっと杖を振った瞬間、光の円が消えた時と同じ鈴のような美しい音を発して姿が消えたからだ。
二人とも怒涛のような時間と出来事に圧倒されて少しの間何もできずにいたが、結局二人一緒に帰るほかなかった。
フクロウの言う通り、「できることは何もない」から。
シャランはそれをそのまま、その通りだし、わざわざ危険なことをしなくても、と受け入れていたけれど、私にはそれはもどかしい事だと思っていた。
あれから二日間は家でも落ち着かなくて、あの森にフクロウを探しにも行ったし、町であの黒いドレスの少女を見たことが無いか光の住人に聞いて探した。
もちろん成果は無くて、「ミタコトアルパンダー」とパンダのぬいぐるみに話しかけられたことにがっかりして帰ってきた。
ピンク色でかわいいぬいぐるみだったし悪くなかったけど、会えなかったことに変わりない。