• 今というかけがえのない時間。未完成の蜜柑を分け合う事でそれを思い出した忠兵衛と妻はあっさりと仲直りした。心配してやって来た横須賀の親戚がやれやれといった顔で二人の様子を遠巻きに眺めている。呆れているようだがその口元はほころんでいた。
    だが絆を深めた二人の住む村を、石化の奇病が襲う。