昔々あるところに…ったーV3
最後の投稿が『パンダがそっとおばあさんの肩を抱きました』なら『その時パンダがおばあさんの足を持ち遥か遠くに投げ飛ばしました』って感じで投稿を繋げて書き込んだ人全員で一つの物語を作り上げようという魂胆です。以前にも同じ内容のものを作ったんですがどうやら消滅してしまったようで…
消滅してたなら需要がなかったんじゃないかとも思いましたが投稿を見るのが定期的な楽しみにもなってて自分でもよく書き込んでいたのでつい建て直してしまいました。また、新たな物語を作り上げて逝きましょう…!
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■これまでの投稿■
昔々あるところに、、、、、、
赤い屋根の大きなお家が建っておりました。
ねこがいました。
ねこにはまだ名前がありませんでした。
おばさんはその猫にイヌという名前をつけてあげました
イヌ(猫)はスクスクと大きくなり、やがておばさんと同じ大きさになりました
イヌ(猫)「そろそろ長靴を履いて鬼退治に行くかニャ」
おばさんはイヌ(猫)に自分の長靴を貸してくれ、鬼退治に行くなら必要ねと吉備団子を作ってくれました「行って来るニャン!」
イヌ(猫)は道中で「ほしゅ揚げ」と呼ばれる名物を見かけました
しかし「ほしゅ揚げ」を買うお金が足りず、イヌ(猫)は日雇いのアルバイトをすることにしました
揚げたてサクサクの「ほしゅ揚げ」おいしいですよ! イヌ(猫)が頑張って販売していると…
くたびれたロバがやってきて「イヌ(猫)さん、イヌ(猫)さん。揚げたてサクサクほしゅ揚げをひとつワタシにくださいな」と言いました。
ほしゅ揚げが初めて売れて嬉しくなったイヌ(猫)は、アルバイトに夢中になって本来の目的を忘れてしまいました。
それどころか赤い屋根の大きなお家で待つおばさんへのお土産に初任給で長靴と吉備団子を買い、意気揚々と帰宅し始めたではありませんか。
「おばさん、喜んでくれるかにゃー?」 初任給で買ったお土産と店長が持たせてくれたほしゅ揚げを手にイヌ(猫)は帰り道を急ぎます。
おばさんの家まであともう少しというところで(ほしゅ揚げです……)と脳内に直接語りかける声が聞こえました
(聞こえますか、イヌ(猫)よ…今あなたの脳内に直接語りかけています… おばさんの家に帰るために、まだ足りないものがあります… お酒です…ほしゅ揚げである私に合う極上のお酒を用意するのです…)
ほしゅ揚げの提案を聞いたイヌ(猫)はおばさんがお酒好きでしょっちゅう飲んだくれてる事を思い出し、ほしゅ揚げたちに深く感謝しながら近くに美味しいお酒が売っていないか周りの人たちに聞いてみる事にしました。
ブランコでワンカップ片手に黄昏れていたおじさんが、ニヤリと笑って言いました。 「それなら鬼コ口しはどうだい?」 「鬼…鬼?」 ほしゅ揚げ販売のプロと化していたイヌ(猫)は、何かを思い出しそうです
ほしゅ揚げ販売のプロと化していたイヌ(猫)は「おじさんのおかげで、おにぎりとコロッケも買って帰りたくなったにゃ」と言いました。 鬼のことは忘れてしまったのでしょうか…
丁度よくコンビニがあるので入ってみるイヌ(猫)。 「おにぎりとコロッケくださいなー!」 「あいよ!鬼斬りと殺っ気ね〜!」 店長の赤鬼さんが愛想よく言いながら、なんかあの…チキンとか肉まん入れてるあったかい棚から商品を取り出します。
「袋はどうしますか?」
店員さんが問いかけます
「いらないです!」エコバッグ派のイヌ(猫)は堂々と答えます。
店員さんはひとつ頷き、アツアツの鬼斬りと殺っ気をイヌ(猫)に向かい勢いよく投げつけました。
危ない…そう思った時、さっきのワンカップのおじさんがイヌ(猫)を抱えてひらりとかわし 「思い出すが良い、ドッグキャットよ…そなたの本当の名とその使命を」 とやたらと格好いい声で言うではありませんか。
「本当の名?うっ、頭が……」 (くっ余計なことを……)
投げ出され床に転がったほしゅ揚げたちはおじさんの顔を見てアッと驚きました
おじさんだと思っていたその人は、猫にイヌと名付けたおばさんだったのです。
性別を隠す魔法の使い手はもう滅びたはず…。 ほしゅ揚げたちは不思議そうにしていました。
ほしゅ揚げの長老、アゲマン・ジュウは一族に意志を与えたと伝わる、虹の岩塩のことを思い出した。
「…あの秘宝ならばもしや。」
頭痛のため木陰で休んでいたイヌ(猫)がお店の前に戻るとなぜかおばさんがいてびっくりしましたが、販売のプロなので転がってしまったほしゅ揚げたちを拾い集めました。
オーナー?物語?
脳内に直接語りかける声にイヌ(猫)は混乱して、また頭が割れるように痛み始めます。
ほしゅ揚げたちはイヌ(猫)を心配そうに取り囲みます
「頭痛には早めのパ◯ロンだよ!」
「いや、半分は優しさで出来てるバフ◯リンさ!」
「ネギを首に巻くのじゃ…」
「この虹色の岩塩とかどう?」
ほしゅ揚げたちの励ましを聞いてネギを巻いてみようかにゃと思ったイヌ(猫)ですが 「いま虹色の岩塩とか言った?」 おじさんだったおばさんとコンビニの赤鬼が、ほしゅ揚を問い詰めます。
「だいじょうぶかしら……」 真空パックに入れられ新鮮なままの吉備団子(ア!パンマン似)は
不安そうに成り行きを見守っていました。 そして、もう一つの視線が──
「しお時かな」
そう呟いた何者かは、ほしゅ揚げ達を時空のはざまに吸い上げ、回収しました。
「どういうつもりだ。ドッグキャットの出現は我らの危機、お前達に夢中にさせ、おにがしらの城から遠ざけ、よくやった。その後あの銀河戦士に毒酒を飲ませ知婆尼丫の屋敷空間へ閉じ込める手はずであったろう」
そこにまたひとつ、ククク…と意味深な笑い声が響きました。長手袋をした犬でした。 「言っただろう、しお時だと」 そう言って犬(塩派)はほしゅ揚げたちへササッと適量の岩塩を振り掛け、美味しく頂き始めました。
長手袋をした犬の名は当然ネコ(塩派犬)。 ドッグキャットとキャットドッグの邂逅は100年ぶりのことだと事情通の吉備団子たちがささやきます。
部下(?)であるほしゅ揚げ達が食べられていくのを尻目に、謎の人物は冷静でした。「来たか、ネコよ。相変わらずだな。塩はほどほどにしておけ」
塩分過多は高血圧症を招き、それに伴い心臓病や脳卒中も引き起こします。百年ぶりにイヌ(猫)と相見えるネコ(塩派犬)は、それなりのお年でした。
一方その頃── ほしゅ揚げを問いつめんとしていたおばさん(おじさん)は、ほしゅ揚げが空へ吸い込まれ、気絶したイヌ(ネコ)までもが吸い込まれ消えてしまった為、配下と思しき赤鬼さん(店長)に青い顔でつめよっていました。
「大変じゃあ…うちのイヌ(猫)がお空に旅立ってしもうた…!」 「その言い方だと死んだと誤解するやつが出てきそうです、おばさん(おじさん)」
配下と思しき赤鬼さん(店長)の顔が青くなるのも当然でした。なぜなら青鬼さん(バイトリーダー)も一緒に吸い込まれて消えてしまったのです。 おばさん(おじさん)に詰め寄られながら赤鬼さん(店長)はあの人への報告をどうしようかと考えあぐねていました。
その頃、空の彼方ではイヌ(猫)がこれ以上吸い込まれていかないようにバイトリーダーの青鬼が必死に頑張っているのですが誰にも見えません。
誰も見ていなくたって必死で頑張る青鬼の顔は、全身の力を振り絞っていること、それから単にお空の上で酸素が少ないことが重なり、徐々に真っ赤になっていきます
それでも、イヌ(猫)は鬼を退治しなくてはならないのです。
今まで鬼退治に挑んでは散っていった数多のイヌ(犬)たちの無念を晴らすためにも、やるしかないのです
HosYuaGe⋯⋯それは伝説のメモリー ほしゅ揚げの長老、アゲマン・ジュウは一番古くなっていた為か、長手袋のネコ(犬)にお残しされてちょっとシュンとしていました。そう、食べられる為に、生まれてきた⋯⋯?いや、違う。 ワシは⋯⋯イヌ!イヌ!イヌ!! ジュウはありったけのパワーでイヌ(猫)に目覚めのテレパスを送りました。
イヌ!イヌ!イヌ!イヌ!INU!INU!ah~真夏のjamboree♪ 突然頭の中が常夏になりパスタが食べたくなりました
背に腹は代えられません。
「なあ赤鬼」「青鬼です」
イヌ(猫)は鬼に語りかけます。 「一時休戦といこうではないか」
今でもまあまあ青鬼に助けられているイヌ(猫)です。
「ココナッツミルクとパッションフルーツ味のパスタを作るため手を貸すにゃ」
一時休戦と聞いた青鬼は少し冷静な気持ちになり、赤から紫くらいになりました。 「良い提案ですね。しかし食材はどこですか?」
「この先にある気がするにゃ」 イヌ(猫)は今まさに吸い込まれそうになっている空をクイッと親指で指差します 「行ってみるにゃ。コケツニイラズンバコジヲエズニャ!」 青鬼の顔色が青くなりました
青鬼は鬼にしては優しすぎるCRY優しい青年でした。そして真面目でした。
そんな真面目で優しすぎる青鬼が何故赤鬼の元でバイトリーダーをやっているのか… 話は100年前に遡ります。ドッグキャットとキャットドッグが衝突した戦いの裏側での出来事でした
バカだけど心優しいパワータイプの赤鬼は、キャットドッグともドッグキャットとも仲良くなりたくて頑張っていました そこで青鬼を誘い、村中に立て札を立てたのです
「キャットドッグと仲良くしたいドッグキャットと ドッグキャットと仲良くしたいキャットドッグは赤鬼の店まで」
しかし結果は上手くいかず、立て札を引っこ抜いて戦うドッグキャットキャットドッグまで現れる始末
すると、突然―――ホシュッッッッッ!!!!
そんな鋭くも不思議な音が聞こえ、何かが目にも留まらぬ速さで飛び出しました。
次の瞬間、赤鬼と青鬼が見たものは…
なんと手足の生えた大きな桃でした。 桃は鬼たちのお母さん的な存在です。赤鬼も青鬼も懐かしい気持ちになりましたが、100年前にドッグキャットとキャットドッグが一時的に協力して桃を宇宙に追いやったことも忘れてはいませんでした。
ああ、このままではイヌ(猫)とネコ(犬)とモモ(母)の泥沼の戦いが始まってしまいます。
そこで青鬼がバイトリーダーになることを条件に休戦したのです。
なるほど、そういう事情だったのか… ほしゅ揚げの長老が感慨深げに呟きました。
「ならば現代に蘇りしキャットドッグとドッグキャットの戦い、鎮めるのばやはりバイトリーダー青鬼が鍵ということかにょ?」
バイトリーダー青鬼はこまってしまった。
「シフトがあるんすよね」
シフトを保守すること、犬猫の争いを止め平和を保守すること…
どちらも課された青鬼は困ってしまいました
そこでイヌ(猫)は青鬼にある提案を持ちかけました。
「昔、どこかで聞いたことがある噂にゃんだけど、海を越えた先のとある島に、一晩で猿山を制覇してボスにまで上り詰めたと言われる伝説のビックボスがいるらしいのにゃ。そいつに頼めば、キャットドッグとドッグキャットの争いを止めることが出来るかもしれにゃい。どうだ、そいつを探しに行く、というのは?」 と。
海を越えれば、そこは南国…… 頭がすっかり常夏気分のイヌ(猫)の打算も含まれた提案でした
「青鬼はパスタを茹でて待ってるといいにゃ!これからいい感じのパッションフルーツをもいでくるにゃん」 真面目な青鬼は湯を沸かし、パスタを茹でることにしましたがとても暑いです……
一方、おばさん(おじさん)と赤鬼店長も、一時休戦、協力することにしました
空へ吸い込まれたイヌ(猫)と青鬼(バイトリーダー)を追いかけるため、二人は空を飛ぶ方法を探すことから始めます
そこへ、ピューンと大きなキジがやってきました。
久しぶりのお客様です。
このコンビニは不思議なコンビニでした。
キジさんは店内をキョロキョロした後、制服姿の赤鬼さんにたずねました
「きびだんご、ありますか?」
今まで誰にも食べてもらえなかったきびだんごは (あります!あります!!)と胸を高鳴らせました
アーカイブを表示しています
「既婚子持ちで魔法”少女”は厳しいんじゃ…」
「魔法より物理で敵倒しそう」
「うるさいよ犬猿雉」
電話越しでもあちらのヒソヒソ声はばっちり聞こえる桃太郎。そんな彼に、不思議な声は更に提案。
「ほしゅほしゅの魔法少女が嫌ならシンプルにほしゅ…魔女っていう道もあるよ!」
桃太郎は絶句しました。何故なら、ほしゅほしゅとはニャホポン語で"魔法少女"という意味の言葉だからです。
鬼退治の実績もある天下無敵、既婚子持の桃太郎は、魔法少女という属性すらも背負ってしまうのでしょうか。
たしかに、そうきこえました。
飛び出す絵本だったのです!
これには桃太郎もにっこり
桃太郎もおかしいですが、その間電話を切らずに待っていたキジもおかしい。
後に完成した絵本にも、そう書かれていました。
キジは旧友に思いを馳せました。
桃太郎からの電話は、鬼退治のお誘いの電話でした。
サルがナレーションを呟きながらサラサラと紙に文字を書いています。
「続きが思いつかないッキーね……」
そう、この物語はサルの友達の桃太郎くんのお子さんの4歳のお誕生日プレゼントに書いていた一次創作の小説だったのです。
表紙の絵をイヌが担当し、製本作業をキジが担当しています。
その時、キジのスマホが鳴りました。桃太郎からの電話です。
それを見たおばさん(おじさん)は再び魔法を使い、シン青鬼(イケボ)に変身することを決意しました。このお話は一体どうなってしまうのでしょう?
「無理をしないでくれ」
赤鬼店長は、かつての得物であった金棒を手に言いました。
その金棒は、暴虐の限りを尽くし身だけでなく心まで鬼のようだと呼ばれていたかつての自分を忘れないための、戒めでもある金棒でした。
赤鬼店長は、哀れな労働者たちのために、再び心を鬼にすることを決意したのです。