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内に巻いたボブの青い髪、ややまるく愛嬌のある顔立ちの彼女が実に幸せそうな表情でもぐもぐと咀嚼している。
まんまるのくるくると良く動く瞳は彼女の可愛らしさを引き立てていた。
「そうポンね~ソランちゃん。美味しいからいくらでも食べられちゃうポン~」
シャランちゃんと呼ばれたもう一人は、金の髪にややシャープな輪郭、おなじくまんまるの瞳をキラキラさせてわたあめにかじりついている。通りにあった足元の何かの箱を、身体の固い人ならひっかけて倒れるところを金髪を揺らしてひょいと飛び越えていく。
「ねーシャランちゃん、ちょっと面白いうわさ話聞いたんだけど知ってるポン?」
ソランは箱を避けてシャランの隣に並んで歩く。
「何の噂~?まだ知らないかもポン」
ニコニコと、やや得意げにソランが続きを話す。 -
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「光の世界の中にはただただ生き続けてる魂がいるんだって。長く居すぎたせいで少し認識がずれてて、近づいた光の世界の住人を攻撃してまわるらしいっポン。シャランちゃん聞いたことあるポン?」
シャランはわたあめを全部食べ終わり、その残った棒を手首のスナップで軽く振り回してわたあめを再出現させる。ひとくちかじって、
「う~~~ん、聞いたこと無いポン。でもそんな魂がいたら、それはずいぶん悲しい事だポン・・・その、彼女?彼?にも安らぎが訪れてほしいっポン」
神妙な表情で、わたあめをばくばくと食べ続ける。
「・・・そうポンね、シャランちゃんは優しいポン」
わたあめを食べているシャランの腕に腕を絡ませ、勢いよく体を寄せる。その勢いで、シャランは一歩たたらを踏んでしまう。 -
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「ちょっ、ソランちゃんは力が強いんだからセーブしてって昨日も行ったポン!」
「ごめんっポン☆」
「んむ~~~、今日の晩御飯をソランちゃんが準備してくれたら許すポン」
「わっ分かったポン、任せるっポン!」
にぎやかな青と金の後ろ姿は通りを小さくなっていく。同じ通りを、疲れ切ったような酔ったような足取りで歩く魂がいた。赤い三つ編みに古びた緑の服を着たその存在は、すぐに角を曲がって見えなくなった。 -
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うおおおおおおおおおおおお
良い良い良い良すぎる!!
ありがとうございます!!
グッと引き込まれましたし、心がいい感じにかき乱されて最高です! -
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ああ~~~~嬉しいです!!!!!ありがとうございます!!!!引きこまれたって言ってくださると、色々試行錯誤してることが功を奏したようで嬉しくなっちゃいます、ありがとうございます!! -
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誤字は見ないふりしてください… -
穏やかに晴れた青空の下に、回廊とバットレスのある教会、花の飾られた誰かの家、いい匂いのする、或いはきらきら輝くたくさんの品々が並べられた建物が続く通りがある。そこを、様々な姿をした人達が行き交っていた。
ここは光の世界。たくさんの魂たちがついに行きついた、穏やかな安寧の世界だ。
その道を、若い女性に見える二人が歩いていた。
よく見ると、二人はそれぞれ手におやつのわたあめを持っている。系統の違う顔立ちは確かに違う人間であると伝えているが、同じおやつを同時に美味しそうに頬張る姿はそっくりである。
「んーーやっぱり美味しいポン。ねーシャランちゃん」