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数日過ごしていると、迎えのヘリコプターが来た。
最初からここで過ごす日数は決まっていたらしい。
ただし全員を連れて帰ろうにも思った以上に酸の水位が上がる速度が速くて着陸ができず、どうにかはしごを垂らすと引き上げることもできるが、2人しか乗せられず、誰か1人がそのまま残って別の迎えを待つことになる。
私は迷わず男の子たちをヘリコプターに乗せて、酸の海に浸かってじわじわと足首が溶けていくのを感じて寂しさと安堵感を感じながら、岩山から飛んでいくヘリコプターを見送った。 -
自分も男の子たちも中学生で、男の子たちは兄弟で、弟の方は足を怪我していて黒いギブスのようなものをつけていた。
酸の海は澄んでいてとても綺麗だけど、生き物たちは住めないから命の気配が自分たち以外に無い。
岩場には学校の机を綺麗に積み上げて作られたところがあって、どんどん水位を増す酸から逃げるために協力して登って、お腹は空かないけどお互いにはお互いしかいなくて、退屈や寂しさを紛らわせるためにたくさん話したりしながらその上で過ごした。