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「ほんとそうっポン。フクロウさんはさっきの女の子の事知ってるっポン?」
ソランは期待を込めてそのフクロウに声をかける。フクロウは森を背に二人を猛禽の鋭い眼光で見つめて、
「知ってるホー。怖い思いをさせて申し訳なかったホー、今は安全だから、二人とももう家に帰った方がいいっホー」
可愛い声で答える。
ソランは立ち上がって自分からもフクロウに近づいた。ついでに土や草も払う。
「でも、あんな魂が居たらみんな安心して光の世界で暮らせないっポン!ねえシャランちゃん!?」
「えっ!!? うん、そうだと思うポン・・・でも」
シャランもゆっくり立ち上がって同じように草を払った。
「私達にできることなんて、ないんじゃ」 -
言葉では無かったのに、「悲しい」「もう十分だ」と強く感じずにはいられない声だった。
何も感じていなさそうだったのは、表情だけだったのだろうか。
草を踏む音に意識が現実に引き寄せられる。
フクロウの冠がきらめき、猛禽類独特の歩みで自分たちに近づいてきて嘴を開く。
「ふたりとも、大丈夫かホー?」
緊張をまるごとほどけさせる、かわいらしい声だった。
ソランは思わず頬が緩む。
「うん、おいらは大丈夫っポン。シャランちゃんが助けてくれたし、あなたにも助けてもらったから」
「そっか、ならよかったホー」
冠を落とすことなく器用に頷く。
「ところで、キミたちはさっきの子を知ってるかホー?」
すっとこちらを見て、威厳ある見た目でかわいい声が質問を投げかけた。
「いいえ、知らないっポン。光の世界にあんな魂がいるなんて、信じられない」
今度はシャランが答える。