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人々は、決して離れないように家族同士を繋ぎ止め、笑う声から逃げるようにして家まで急いだ。笑い声は、逃げる人々の背に向けて、急かすように、甚振るように、より一層声を上げ、笑い声を低く遠く震わせた。 -
しかし、その静かな一瞬で全員等しく上を向き、そしてまた、全員等しくその〈笑い声〉を聞いた。
下卑た、下品な、喜びに満ちた笑い声。
ケタケタと馬鹿にし、見下すような色を曝す嘲笑が、天から人々へ降り注ぐ。人々は、怒りと同時に、絶望に似た無力を感じていた。──我々は、誤ったのだ。出しては行けないものだった。聖なる存在などでは無かったのだ。
笑い声は騒ぎ出す、姿も見せず。
「許しを、赦しを出しおった!!得たり、得たり!!我ゆるしを得たり!!」