しりとりで小説作ったー

2022年7月9日に作成 #ネタ
しりとりで小説を作りましょう!
多少話に整合性が取れなくても大丈夫!気軽にどうぞ!

NGは中傷など倫理に悖るもの
その他しりとりのルールに則っていないものや、単語のみもNGです
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  • 「つくづく思うよ、諦めの悪い兄ちゃんだなって」とベリタル。
    (わたしが、大人しく…爺やたちの言う事を聞けばいいのかな…。あの屋敷は、縛られたような生活で嫌だけど、これ以上ベリタルとエリザに迷惑かけたくない)
    シオンは指輪を見てから、強く頷く。
    「わたしが戻れば、ベリタル達には手を出さない?」
  • 「うまく逃げられるとお思いですかな?」とアルバスも余裕の笑みを返す。そのとき、ベリタルの声が聞こえてきた。「おまえも、こんなところまで!」。飛んで逃げようとしたベリタルとシオンの前に現れたのは、ゼノだった。
    「アルバス様が無策で追い回すだけとでも思ったか」。無表情に、そう言い放つ。
  • 「くだらないお遊びは必要ありません。さぁ、早くお嬢様をこちらへお戻しください」と老執事のアルバスは淡々と言った。
    「うるさい人間ね。あの人間の女の子が…、シオンちゃんが大声を出すぐらい嫌がってるのに。それに気が付かなかったのかしら?」
    エリザはクスクスと笑う。
  • 瑠璃色の瞳のエリザは、シオンの様子を見てから手首を優しく掴む。そしてベリタルに視線を送り、彼女らは顔を見合わせて小さく頷く。
    「一旦逃げるよ、お嬢ちゃん」とベリタルはシオンに囁いた。
  • 「……嫌な人間ね、あなた」
    エリザはキッと執事を睨み付ける。
    「これはこれは……。このアルバス、お嬢様の幸せを願ってお仕えしておりますゆえ。無関係の『羽根付き』どもにはわからぬでしょうが」
    アルバスの目に、雰囲気に、剣呑なものが宿る
  • 「のちほどお話しします。お嬢様、屋敷に戻りましょう」と老執事が言った。
    また、自分の事を研究されて縛られたような生活に戻る…?そんなの嫌だ。そう思っているからだろうか。シオンは大きな声を出して拒否をする。
    その様子を見たエリザは直感で助けなきゃと思い、
  • 「たまげたな、こりゃ。銀髪の兄ちゃんが乗ってたアレにも驚いたが、下界の技術は一体どこまで進歩してるんだ?」とベリタル。すかさずエリザが「感心している場合!?」とツッコミを入れる。飛行体を見上げながら、シオンはポツリと呟いた。
    「爺や……。危惧って……どういう、意味なの?」
  • キーンという高い音が響いた。何事かと外を見る三人。そこには大きい龍のような形の飛行体。そして、その上に立つ一人の老人。
    「お嬢様、ただちにお帰りくださいませ。ここにいてはいけません。ああ、母君の危惧していたことが本当になるとは……」
    シオンが物心ついたころから知っている顔、執事がそこにいた。
  • 「ねぇ、そんな事より」とエリザ。じっとシオンの事を見下ろす。その視線が刺さり、シオンは萎縮した。
    エリザが何かを言おうとした時──。
  • 「いい?ベリタル。あなたの優しさが、この人間の女の子を苦しめるかもしれないのよ?!」
    エリザの発言に、ベリタルは「静かに」と人差し指を口の前に立てる。
    「わたしを苦しめる?それってどういう事なの?」
    シオンはふたりを見た。
  • 「……助けるためには、こうするしかなかった」とバツが悪そうな顔をするベリタル。彼も、ゼノも、そしてエリザも、全員が"違う世界の住人と関わってはいけない"と言う。その理由がシオンには分からない。
  • 「うん…そうだよ」とシオンはベリタルを見上げながら言った。
    「怖がらせた事は謝るわ…、ごめんなさいね。でも、人間はここにいるのは駄目よ。その理由、ベリタルも知っているでしょう?」
    エリザは真剣な眼差しでベリタルを見た。
  • 「エリザ、やめろ。怖がっている」とシオンを庇うように割って入るベリタル。
    「安心しな、嬢ちゃ──いや、シオン。帰る必要なんてないさ。ここに来てみたかったんだろう?」
  • 眼光が鋭い。シオンはたじろぐ。
    「ひ、ひとりで帰る方法探す…」
    やっとの思いで放った言葉は、今にも消えそうな声。
  • 立ち塞がったのは、翼人の女性だった。「あなた、翼もなしにどうするつもり? 飛べもしないのに、地底に戻ることもできないでしょうが!」
  • 「ううん」と言うように、シオンは首を左右に振る。
    のんきに上の世界にワクワクしていた自分が恥ずかしい。素直にゼノの言うことを聞いておけばよかった。ベリタルに助けを求めてしまったせいで、彼に迷惑をかけてしまっている。
    「ごめんなさい…。わたし、屋敷に戻ることにする…」
    シオンはパタパタと走り出した。
  • 「ノー、ノー、ノン、平和に行こう。別に特別な意味なんてない。偶然が導いただけだ。俺たちは偶然の、天の意志にしたがうだけだろう?」
  • ただならぬ敵意を感じ、シオンはビクッと肩を震わせた。翼人の女性はベリタルの方に向き直り「まさか、貴方が……?」と呟く。
    「下界の人間をここに連れてくるなんて、一体何を考えているの?」