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「楽しかったみたいね~ソランちゃん」
草の中から返事がする。
「うん!おいらは遊ぶの大好きだっポン」
今度は森の中から声がした。
「そうナノ、なら私とも遊んでほしいナノ」
ソランは草の中で空を見たまま、深く考えずに返事をする。
「いいね、今度はいssy・・・」
そこまで言ったところで飛び起き、シャランの居るところまで草を蹴散らし走る。
「アナタ、誰っポン・・・?」
シャランも布から立ち上がり、軽く身構えて声の主を睨む。
ゆら、と酔ったような足取りで森から草原へ一歩進む。手に何か棒のような物を持っている。
この光の世界でまさか武器ということは無いはず、だが、二人ともそれがただの木切れとはまるで思えなかった。
もう一歩。
ソランの寝ていたあたりは草が倒れており、おかげで彼女の姿が良く見えるようになった。 -
たくさんの魂たちのうち、ある者は転生先を得て旅立ち、またある者は緩やかな時を楽しむ。
ソランとシャランも知己のうちひとりをしばらく見ていないことに気づき、おそらく旅立ったのだろうと、彼の幸多からんことを祈った。
今日の二人はお弁当を持って森近くの草原に遊びに来ていて、花を眺めて匂いを楽しんだり、森に少し入って生き物たちと
軽い追いかけっこをしたりして過ごしていた。
「あははっ、鹿さんって脚速いねぇー!おいらもうくったくただポン~」
木々の中だというのに軽やかに走り回る鹿はパワー型のソランにはやや荷が重かったらしく、森のすぐ出口の草が深いところでひっくり返ってしまった。
やや離れて草の背が低くなっていくあたりに鮮やかな布が広げられていて、そこには金の髪にややシャープな輪郭の妙齢の女性に見える人物がおり、彼女はそんなソランを見てくすくすと笑った。