お題で小説書いったー

2022年7月21日に作成 #趣味
1月のお題は「うさぎ」「せいじん」「おみくじ」の3つになります。
(お題どれか一つ、または組み合わせてもかまいません。)
月毎にお題が変わる(予定)の小説書いったーになります。

420文字以内でひとつのお題の小説を書きたい読みたい人向け
・一次創作のみでお願いいたします。
・ジャンルは冒頭か返信部分に書くとわかりやすいですがなくても問題ありません。
・お題が同じという都合上、ネタ被りは問題ありません。
(明らかに意識して真似しているモノはNG)
・同じお題で同じ人が何度も投稿するのも制限しておりません。

※現在、改行を使った420文字小説の場合、文字数オーバーでエラーが出るようです。
お手数をおかけしますが、文字数だけではなく改行も1文字とカウントして420文字以内になるよう調整して頂けると助かります。
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  • ほしゅ
  •  炬燵の上に置かれたのは縦線の入った妊娠検査薬だった。
    「…なんか、お正月とクリスマスが同時に来た、って感じだね」
    「そりゃただの年末年始じゃねーか」
    「あ、そっか」
     彼女は笑いながらももう愛おしげに腹を撫でている。束の間が空いたのがムズムズした俺は炬燵に積まれた蜜柑を一つ取る。少し力を入れると蜜柑は二つに裂けた。酸っぱい香りが立って、酔いきった頭が少し冴えた。
     考えなければならない事は山積みである。当面の生活費のみならず、今後は彼女の腹にいる我が子の金の工面までしなければならない。ガキの頃の青春を引きずったままギターを鳴らすロクデナシを、彼女の両親は子を持つ親、或いは最愛の娘の伴侶として認めるだろうか。その前に、俺には果たすべき誠意があるのではないか。
     俺は蜜柑の残り半分を彼女に差し出した。
    「俺はこんなだけどな、お前らだけは幸せにするからな」
    「…うん」
     蜜柑を齧った彼女が微笑んだところで、最後の除夜の鐘が鳴った。
  • みかんと言えば温州みかん。
    実はシナの温州とは関係ない、純国産品である。

    炬燵で温まりながら食べるみかんは何物にも代え難いが、アレは温州みかんだから手軽にできる事だ。

    手で皮が剥け、種が無いので気軽に食べられ、種の始末に困ることも無い。
    気軽に食べられるお八つとして、まさに至高!

    そんな事を考えていると、寒気が襲って来た。
    いかん、懐炉のが先だ、先。
  • Tter主(/fr/Yl)2022年12月2日
    12月のお題は「除夜」「みかん」「クリスマス」の3つになります。
    (投稿の際はお題どれか一つから、または3つのうちどれかを組み合わせてもかまいません。)

    投稿、保守してくださる皆様いつも本当にありがとうございます。
  • 字書きだったって感じだけど、ここ面白いね
    保守、っていうのかな?
  • 保守を。僕も主様ではありませんが。読ませて頂いております。クリエイターさんのためにがんばって下さい。
  •  カランコロン、軽快なベルと共に店内へ。
    「マスター、いつもの」
     返ってきたのはため息と一杯のアメリカン。気のいいマスターとしてご近所で有名だってのに、俺にだけは塩対応。まったく、よほど猫をかぶるのが上手いらしい。
    「ほら、もう開けていいぞ」
     振袖姿の娘がニコりと笑って千歳飴の袋を開けようとする。あまりに手間取るから、我慢できずに手を出した。出してから、ああ、こういうところが駄目だってよく叱られたんだ、と思い出す。
    「あ……っ!」
     バラバラと飛び散る千歳飴。あれ、七五三の飴って、一本の長い棒じゃなかったか? ひとつひとつフィルムに包まれた、手のひらサイズの飴を拾い集めながら、思い出す。
     思い出すのは苦手だ。ここ数年、特に。
    「──さん」
     マスターに名前を呼ばれる。顔を上げると、カウンターの向こうに大きな鏡。そこにはマスターの後ろ姿と、一杯のアメリカン、そして疲れきった顔の俺が映っていた。
  • ほしゅ
  • からんころん、からんころん。
    木履を突っかけて歩っていると、ごろごろ、キシキシと音をたてて馬車が走って行く。
    真冬の寒さの中、御者と馬の息から出る湯気が、烟の様に棚引いている。

    ここは、今まで通った街の中でもでか過ぎるほどデカい街である。
    俺が用の有るのは、この街の1軒の防具屋である。

    先頃、近隣の山の中でコカトリスが見付かったとの報があったのだが、奴を退治するには盾に鏡を仕込まねばならないのだ。
    そんな面倒な加工をやってくれる防具屋は、このくらいデカい街で探さねば、まず見つかりはしない。
  •  通りゃんせ、通りゃんせ。ここはどこの細道じゃ。娘の髪を結いながら自然と口ずさんでいたのは、亡き祖母から教わったわらべ歌だ。「それ何のお歌?」これはね、貴女のように七歳を迎えた子をお祝いする歌なんだよ、昔は子供は永く生きられなかったから。そう説明すると、ふうん、と可愛い瞳をくりくりさせて曖昧な返事。鏡の先の娘はアレンジされた髪を揺らして満足げだ。私は鏡越しに笑い返す。子供が貴重なのは昔も今も変わらない。子供は大切に育てねばならない。正しく、健やかに。神様に取ってしまわれないように。だから七五三で祝うのだろう。「ねー、続き聞きたーい」。催促されるがままに私は歌の続きを歌う。天神様の細道じゃ…行きはよいよい…帰りはこわい…たどたどしくも歌い終わると、からん、ころん、と下駄が鳴った。はっとして顔を上げると娘はそこに居なかった。「鏡越しにこの歌を歌っちゃいけない」。床に落ちた髪飾りに呆然としながら、亡き祖母の言葉を私はやっと思い出した。
  • 保守だ
  • ほしゅ
  • ほしゆ
  • ほしゅ
  • ほしゅ
  • ほしゅです
  • ほしゅ
  • Tter主(4nPli2)2022年11月1日
    11月のお題は「七五三」「かがみ」「からんころん」の3つになります。
    (投稿の際はお題どれか一つから、または3つのうちどれかを組み合わせてもかまいません。)
  •  くしゅん、と大きなくしゃみを一つ。いつの間にかすっかり秋めくどころか冬になって、薄手のモノでは体が冷えきってしまうこの季節。
     「衣替えなぁ」
     誰に聞かせるでもない独り言を溢しながら、家路に着く。厚手のものはあったか、虫にくわれてないといいのだけど。そんなことをぼんやりと思いながら。
     薄暗い部屋の電気を点ける。そこには数多くの洋服、もとい人間たちがいて、怯えているのか一ヶ所に固まっている。塊の外側の洋服は思いっきり敵意の目を向けてくるから心が痛む。でもまあ、寒さには変えられないので。
     「そろそろ衣替えしないとなんだよね」
     なにがいいかなぁ、と塊のなかでめぼしいものを探す。どれもが魅力的で、お迎えした私のセンスを褒め称えたい。しかし本当に悩ましい。
     塊のなかで、おうちに帰りたいと泣きじゃくるものがいた。ここがお家なのに何を今さら。それを見ると十分あったかそうだから、この服にしよう。
  • ほしゅ