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物語書いったー
物語書いったー
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体が心底疲れたと悲鳴を上げている。
ベッドに倒れ込み声にならないうめき声を上げた。
「ゔぁ〜…」
布団のやわらかさにそのまま眠りに落ちそうになるが腹が空腹を訴えてくる。
「ゔゔゔ…」
(離れがたい…誰かご飯作ってくれ…)
そう思っても家には自分しかいない。
「ゔぉぉぅ!」
最後の力を絞り出して起き上がる。
よたよたとおぼつかない足取りでキッチンへ向かう。ついでに風呂も済ませようとスイッチも入れた。
とりあえず冷蔵庫にあった残り物をのろのろとレンジで温めていたら、風呂が沸いたメロディーが流れた。
「風呂、はいろ」
だが、湯船で寝落ちする自信がある。
(風邪さえ引かなきゃいいか…)
タオルを持って風呂場に向かう。
レンジの中のおかずはまだ頭の中にある。
風呂に浸かっている間にその存在は
トロリと溶けていった。
ついでに寝落ちして湯冷め。
無事風邪ッぴきになりましたとさ。
それは北部に位置する雪と氷で覆われた極寒の地。そして、太古から雄大な山脈が連なっている。悠然と見下ろす様にそびえ立つそれは遥か昔から人々に神が住まう場所として恐れられ、畏怖と信仰の対象として崇められている。
さて、そんな山脈に住まう強者達がいる。
そこに住むに相応しいと決められた者達しか住めずある時期になると王者が女王を巡って争いが起きるのである。
初めて泣いた。初めて歩いた。
初めて喋った。
初めて走った。初めて転んだ。
初めて友達ができた。初めてケンカした。
初めて勉強した。初めてテストを受けた。
初めて買い物した。初めて旅行に行った。
初めて恋をした。初めて失恋した。
初めて結婚をした。初めて子供を抱いた。
初めて子供の成長を見守った。
初めて子供の旅立ちを見届けた。
初めて孫を抱いた。
そして、初めて大事な人との別れをした。
長く生きていたが、
この初めては経験したくはなかったな…
度々村に現れては村の生き物や人々を食い荒らし恐怖と血に染めたそうな。
ある日堪り兼ねた村人達が果敢に挑み苦戦の末についに恐ろしい獅子を打ち倒した。
「ああ、良かった良かった。これでようやく安心じゃあ。」 誰もがそう思っておった。
ところがどうじゃろう。その日を境にけものは狂った様に暴れだし土地は枯れ草木や作物は育たぬ様になってしもうた。
「これなら前の方がマシじゃった」「その日の暮らしさえも厳しくなってきおった」「村は終いじゃあ」そう言うと村人達は困り果てておった。
「おらがやる。新たな獅子を探して連れて来るだ。」若者はそう言うと旅支度を済ませ旅に出ていった。
どうしても太陽は私を見逃してくれないようで。
眩しいだけじゃなくて暖かかったその光に、私はどうしても焦がれてしまったようだ。
その推しはゲームが全国レベルで上手いのに発言が可愛く、独特な声質をしているのだが、最近さらに推そうと思ったきっかけがある。
いつも推しのSNSの発言はふわふわしているが、本当に不定期なタイミングで配信を始めることがある。
大体は弾き語りをする配信がメインだが、その日はちょうど配信の記念日だったらしく、いつもと違った趣向で雑談配信が行われていた。
不定期ゆえ私は毎回配信を追えているわけではないが、その日は運よく配信を最初から見ることが出来た。
正直、私は「実況なんてロールプレイだらけだ」と少し軽蔑していて、それを受け入れて推していた部分もあった。しかし、その日の配信で私は推しの新たな側面を知った。
「あの……薬用粘土もらえませんか。ほら、こいつクチのところ」
「あぁ〜なんか人間用の食品たべちゃったんでしょ?これならチョット塗ればスグ治るから」
先生の処置は案外はやく済んだ。御礼を言って、会計を済ませ……埴輪も安心したのか、しょげていたのが打って変わって嬉しそうに跳ねている。
「もう治ったのか?」
この丘は全ての埴輪たちの故郷だしテンションが上がってきたのかもしれない。
「……せっかく来たしお土産でも買って帰るか」
生菓子をこねて作られているらしい食べられるハニワ菓子が有名だ。ひと箱……いやご近所用に2箱くらい購入していくか。
あれだけ秋は来ない!と騒いでいた日々が懐かしく思える。
色濃いイベントが詰まっている夏はどうしても時間の進みが遅くなって、普遍的なことしか起こらない今ぐらいの季節はすぐに時間が過ぎてしまうのかもしれない。
あたりまえを大切に...とありきたりの事も言えるが、こんな時こそ日常から少し離れて、「小さな秋」でも探してみようかと思う。
??? えっほえっほ流行り乗り遅れって伝えなきゃ
毎日のように予習・復習・課題に追われて、中学からしていた吹奏楽を惰性で続けて、何となくいつもと同じ友達とつるんで。
こんな田舎出て行ってやる、って意味不明な情熱だけあって。
今思えば充実していた。
私は鍋を見下ろす。この1LDKの部屋は私ひとりだけど、もしいたとすれば今にも屑となり消えそうな虚ろな表情に心配することだろう。今晩は絶対カレーを作ろうしようと決め込んでいて、いざ出来上がったのはじゃがいも無しのカレー──。それはカレーだけどカレーじゃない。私の求めていたものではない。第一私はカレー池にどっぷり浸かったじゃがいもが大好物なのだ。
「そんなのカレーって認めない…」
何やってるんだろう私。鍋はぐつぐつと煮えている。美味しそうな匂いが空腹をじわじわと刺激するけれど、気持ち大きめに切ったじゃがいもを鍋の中に放り込んでから、溶けこむのをじっと見守った。ぐつぐつと煮立つカレー。その上に散らばった黄色のじゃがいもは、悲しいくらい角張っていた。
「お母さんのカレー、じゃがいもだけ大きかったなぁ」
美味しくなりますように。
そう唱えながらお玉を回していた亡き母を思い出す。湯気に目が刺激され、じんわりと熱くなった。
私があの人を好きになったのは中学校に入学して間もない頃だった。2歳頃から一緒に遊んでいて、幼稚園になった頃は毎日いちご飴をくれた。そして小学校の時に私をいじめから救ってくれた。そんな彼を好きになった。2歳頃初めて出会った時から私の方が身長が高かったけど、精神年齢というか、落ち着き具合は反対で彼の方が落ち着いていた。
彼とはずっと一緒だったけど制服を着た彼に私は惹かれた。
だけどみんな彼のことが好きらしい。友達(好きな人いない)に相談したら今から告れとも言われた。そんなこともあったけど、私はそれから10ヶ月、いや10ヶ月13日間彼に気持ちを伝えなかった。3年前の2月14日。私は彼の好きないちご飴を使ったチョコを渡し告白をして、付き合った。
それで今の中学3年生、3年記念日を迎えた今日に至った。
ししょうがそんなことを…?
ゆるせない…!
(縦読み)
懐かしー、と思いながら、サイトの作品紹介からそのシリーズが刊行された出版社のサイトまで飛び、『人気のシリーズ』と書かれたコーナーを眺める。どの本もきらびやかなイラストに彩られていて、感想コーナーには温かさに溢れた感想文が沢山並んでいた。知ってる作品流石にあんまりないなあと画面をスクロールすると、小説賞のコーナーがあった。興味本位で見ると、こども部門で小学3年生の子が最優秀賞を受賞したらしい。
小学生の頃からの夢を諦めてもう10年ほど経つのに、少しだけ羨ましいと感じている自分に驚きつつサイトを閉じる。
あの頃憧れてたようなキラキラの中学生にはなれなかったし、高校生になっても地味で不出来でダメなまま。特別な力も何の才能もない。優しい仲間も恋人もいない。
今の自分を見たら小学生の自分はなんて言うかな、と思いながら部屋の電気を消すと、目の前が真っ暗になった。