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物語書いったー
物語書いったー
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仏花片手に向かう。
その際に桶と柄杓を借りて水を沢山汲んだ。
墓の前に着き、仏花を供えるところに
汲んできたたっぷり水を注ぎ、
仏花の包装を解き、差し込んだ。
汲んだ水を傍らに持ってきた線香に、
チャッカマンで火を付ける。
風は強かったが、何とか無事に火は付いた。
線香を供えるところに供え、手を合わせた。
(お盆のお迎えに来ました)
心の中でそうつぶやき、
火の不始末がないか確認し、
仏花の包装をゴミ箱に捨て、
借りた桶と柄杓を返しに行く。
(暑い…)
お迎えは早めに行くものと小さい頃から
聞かされていたが、ちょっと早すぎたか。
日差しがキツイ中自宅へ向かう。
(早くじいちゃん達と帰らないとね)
お盆の初日。還ってきたみんながゆっくりと過ごせるといいなと思いながら、少し早足に帰宅した。
(今何時…?)
枕元のスマホの時計を見ると午前4時。
(マジかー今日休みなのにー
もっと寝たかったぁー)
欠伸をひとつして、スマホを戻す。
(せっかくだし起きて朝活とかしようかな)
ゴロリと寝返りをうつ。
(この前の配信まだアーカイブ残ってたよね?見てないから見ようかな)
寝てる間に蹴り飛ばしたタオルケットを手繰り寄せる。
(朝ごはんをいつもより豪華にするのもいいよねー)
手繰り寄せたタオルケットを
体に掛ける。
(筋トレやストレッチもしないとなぁ
健康を保てないよねぇ)
そしてそのまま二度寝した。
睡眠欲には勝てないなぁと頭の隅で思いながら。スヤスヤと幸せそうに眠った。
換気扇の回るガスコンロの前で
鍋をかき混ぜつつ
率直に感想を呟く。
鍋の中には白い素麺が踊っている。
吹きこぼれそうになったので
慌ててびっくり水を鍋に入れる。
暑さに耐えていると、キッチンタイマーが
時間を告げた。
火を迅速に止め、シンクの蛇口をひねる。
水を切るため鍋を傾け、
あらかじめ用意していたカゴに
麺とお湯を流す。
水の勢いが足りないのか、
シンクからベコンっ!と音がした。
蛇口の下に麺の入ったカゴを置き、
麺を冷やす。
触れるくらいの温度になったので流水でよく洗い、冷蔵庫で冷やしておいた水でさらにあらうと、麺はかなり冷たくなった。
よく水を切り、カゴの下に皿を置く。
御椀に刻んで置いたネギとめんつゆを入れ、
洗うのに使った冷えた水で希釈。
今日のお昼の素麺の出来上がりだ。
栄養バランスの事は忘れて
よく冷えた素麺を堪能しよう。
(あー蝉だ〜夏だなぁ…って!?)
あまりに暑くてほとんど鳴いていなかった蝉が鳴いている。
幼い頃の思い出、暑い日差としセミの声、そして祖母の家で食べる茹でたとうもろこし。
日差しは暑くなりすぎ、セミは鳴りを潜め、
祖母は儚くなった…
少し寂しさを覚えながら、今夜はとうもろこしを茹でようかなと思いながら会社に向かった。
独り言をいいながら、洗濯物を干す。
今日は風もある。多分いつもより早く乾くだろう。無駄に照ってる太陽を有効利用しないと。
そうでも思わなきゃやってられない暑さ。
次の洗濯物を手に取り、しっかりシワを伸ばし洗濯バサミで挟む。
早く終わらせて、クーラーの効いた部屋でアイスを食べよう。
何気なく物語書いったーを開く。
暑さでだいぶ頭が回らない。
ミネラルウォーターを一気にあおる。
何とか冷えた頭で画面を見る。
早いけど保守したほうがいいな…
湿度で体がベタベタする気がする。
ベタベタにうんざりして
静かにため息をつくと、後ろの通行人が
私を追い越した。手にはリードを持っている。視線を下に向けると、愛らしいポメラニアンがリードに繋がれていた。
私にちらりと視線を向けた後、可愛い足音がしそうな歩き方で飼い主について行っている。
プリプリとお尻を振る様は可愛くてどうにかなってしまいそうだ。
不躾にならない程度にポメラニアンを見ながら
帰宅しようと歩みを進める。
しばらく歩くと、横断歩道に差し掛かり、
飼い主はポメラニアンを抱っこして、青信号の横断歩道を渡る。
家路は横断歩道を渡らないルート。ここでポメラニアンとはお別れだ。
憂鬱な帰り道を楽しくしてたポメラニアンに心の中で感謝し、自宅へ歩を進めた。
共感なんてものは全て憶測で妄想で独りよがりなんだって
僕は人が人の感情に共感する事の全てを倒錯であり錯覚であり願望だって考えてしまうんだ
捻くれた事を言っちゃうのは性分なんだけどね
でもそんな心の中を頭の中を表現して創られた物は頭や心の中の証明で証拠なんじゃないかな
僕らは表現の中では確かに分かり合えるし理解し合えるのかもしれないと
それを魔法と呼ぶし、人間に与えられた唯一起こせる奇跡なのかなぁって
時折思っては身勝手にもこの世界を美しく思う瞬間に出会います、本当は常にそう思いたいけれどね
言葉をね、遠い昔君が魔法だって言ったんだ
確かに神様だって言葉をばらばらにしてしまう位だから
言葉の力って神様だって恐れる位素敵なものだったんじゃないかって思う
僕らは集まれるし、傷つけられるし、根拠も忘れて信頼し合えるし、理解もし合える
君だって僕を理解したつもりになれたし、僕だって君の事を理解ったつもりになれた訳だから
君が居ない今日はとても空虚だった
青空は惨く冬の空を彩って、子供達の笑い声が響く、町の喧騒が鳴り響く
僕の時間だけが止まっている、街は動いている、僕の心は留まっている
白い日差しは天使の居る空、世界を拡げる純粋無垢な光
当り前の様に続く日常はは到底受け入れ難いのに
あの人やあなたはいつも通りに回っていた
君が居ない今日は明日も続いて、それは死ぬまで続くのに
僕は受け入れる日が来るのだろうか、君を忘れる日が来るのだろうか
保守をしましょう!
今日も病院は人だらけだ。
待合室にベビーカーを押した母親が
入ってくる。
道を開ける人、舌打ちをするやつ、
積極的に手を貸そうとする聖人、
邪魔そうな顔して睨みつける野郎。
何気なく見つめていた自分の待合番号が
音とともに画面に表示される。
椅子から立ち上がり、診察室に進む。
ベビーカー置き場にベビーカーを置き、
赤ん坊を大事に抱きかかえた母親は、
自分が座っていた椅子に座れたようだ。
少しホッとしながら診察室の扉をくぐった。
自販機の前に立つと、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、麦茶がことごとく売り切れている…無言でリンゴジュースのボタンを押し、
電子マネーで支払った。ピッと言う音の後にガコンと音がしたので取り出し口からペットボトルを取り出した。キャップをひねり、開けてぐいっとジュースをあおる。
ふぅ…と一息つく。今日も暑くなりそうだ。
梅雨が戻ってくるみたい。
雨の時はできれば家に居たいね。
じっくり物語とか読んでさ。
本を読むのが苦手な人にも軽く読める文章を
読んでもらえるように。保守。
短いとは言えない時間がひたすら過ぎる。
するとパタンと本を閉じる音がした。
長時間座って本を読んでいたので、体を大きく伸ばし「ん〜!」と声を出す。
そして読み終わり、テーブルに置いた本の表紙を手のひらでなぞるように撫でた。
「面白かったな」
噛みしめるようにシンプルな感想を呟き、
テーブルに置いてあったグラスの中身を
喉に流し込む。
「うわ、ぬっる」
氷はすでに溶け、味が薄いぬるすぎるアイスティー。グラスの周りは時間経過を物語るように水滴だらけだ。
「あ、本が濡れる!」
本をグラスから遠ざけ、ティッシュを数枚引き出しでグラスが濡らした机の水滴を慌てて拭き取る。
「随分集中してたんだ…もうこんな時間」
時計を確認し、こんなにも楽しめる本に出会えた事に密かに感謝しながら、
グラスを片付けようとキッチンに向かった。